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「古代エジプト パピルス文書の修復ワークショップ」を開催しました

東海大学では11月1日から21日まで、「古代エジプト パピルス文書修復ワークショップ」を湘南キャンパスで開催しました。これは本学が収蔵するパピルス文書(鈴木コレクション収蔵※)の修復保存・解読・出版を3年計画で目指す国際プロジェクトの第1弾で、学生を修復師として養成することを目的としたものです。

本プロジェクトは工学部や情報技術センターと技術協力するとともに、東京大学史料編纂所と国際的な研究協力体制を構築。期間中は応募者の中から選出された文学部歴史学科考古学専攻を中心とした学生12名が、世界的にも著名なドイツのベルリン博物館のパピルス修復師ミリアム・クルシュ氏から、古文書の修復保存についての知識やノウハウを学びました。また講義はすべて英語で行われたため、文学部、教養学部、政治経済学部の英語を得意とする学生6名が通訳としてサポートしました。

ワークショップの開始にあたり、12名の学生が自己紹介や志望動機を披露。その後、クルシュ氏が講演し、パピルスの材質や状態を確認しながら時代や場所を推測することなど、修復に必要な知識を説明しました。学生たちは現代に作られたパピルス紙を使い、計測や色を判断する練習を実施。その後、3日目からは、歴史的遺物の修復作業を体験しました。鈴木コレクションが収蔵するパピルス文書は出土地も出土状況も明らかではなく、状態もそれぞれ違うため、対象を見ながら判断して対処する必要がありました。学生たちは2班に分かれて毎日3時間ずつ、クルシュ氏が40年のキャリアで培った技や知識を吸収。終了時には各学生が1片以上の修復保存を完了しました。

参加した学生は「学芸員になりたかったので、将来の役に立つのではと参加を決めました。簡単に見える作業もやってみると難しい。でも、自分の仕事が後世に残ると思うと頑張れました。ほかではできない体験だと思います」「初めて遺物に触った時は緊張で体がこわばりましたが、クルシュ先生の技をすべて吸収したいと毎日必死でした。私たちが伝えていかないと、この技術は日本から消滅してしまう。修復に迷ったときに道しるべとなるような資料を作っていきたいと思います」と感想を話しています。

運営にあたった文学部アジア文明学科の山花京子准教授は、「作業が進むに連れて、受け身だった学生に“担当したものについては責任がある”という自覚が芽生え、若干の指示をもらうと自分で判断できるようになりました。今後は学んだものを分かち合い、研さんを積んで、技術や知識を後輩につなげていく必要があります。新しい学生を募りながら、学部や大学、国をこえた連携の中で、さらに実りあるものにしていきたいと思います」と展望を語っています。

※鈴木コレクション:2010年に本学が故鈴木八司名誉教授のご遺族より寄贈を受けた古代エジプトおよび中近東の考古学資料約5千点や写真資料約1万5千点などで、質量ともに日本有数のもの。大学の資産としてデータベースを作るため、13年春より文学部歴史学科考古学専攻の学生ボランティアらが中心となって整理作業を進めています。

「古代エジプト パピルス文書の修復ワークショップ」を開催しました

「古代エジプト パピルス文書の修復ワークショップ」を開催しました