医学部漢方医学の新井信准教授がタイ政府に招請され講演しました

医学部において2002年からこれまで、株式会社ツムラの寄附講座として開かれてきた東洋医学講座が、今年度より正式に医学科専門診療学系漢方医学となりました。それに先立つ3月25日には、同講座の新井信准教授がタイのバンコクで「日本の医療保険における漢方」をテーマに講演しました。

タイでは近い将来、日本と同様に高齢化社会の到来による医療費増大が懸念されています。新井准教授による講演は、本学部で毎年実施している「東海大学21世紀保健指導者養成コース」などを通してタイ政府公衆衛生省と連携を深めていることから、同省より漢方を用いた治療の実際や公的医療保険により漢方医療ができる日本の現状について知りたいとの要請を受けて実施したものです。本学部で漢方医学の中心を担う新井准教授が、取り組みについて解説しました。

新井准教授は講演で、日本の伝統医学である漢方の概念やその治療の進め方、エビデンス(科学的根拠)づくりの努力、漢方教育の現状と問題点、医療経済上のメリットなどを説明。医学部付属病院の漢方外来を担当する医師がそれぞれ漢方のスペシャリストであると同時に西洋医学のスペシャリストでもあり、他の診療科と密接に連携することで東西医学を融合させ、患者さん一人ひとりに適した方法で治療に当たっていることなどを紹介しました。タイ政府公衆衛生省や伝統医療教育および医療機関の関係者ら多数が聴講しました。

なお、医学部付属病院では、2006年より正式の診療科として東洋医学科を設置し、保険診療を行っています。また、市民の方々を対象にタイムリーなテーマを取り上げた「漢方教室」の開催、地域医療を担い漢方に取り組む熱心な医師たちへの臨床指導など、学内外への漢方の普及啓蒙活動を積極的に行っています。

医hp報告「新井准教授タイ講演」01.jpg