学生が日本観光学会で天草の観光振興について発表しました

熊本キャンパスで活動するチャレンジセンター・ユニークプロジェクト「知産地商」の学生が、11月28日と29日に福岡県太宰府市のプラム・カルコア大宰府(大宰府中央公民館)で開かれた第108回日本観光学会大宰府全国大会で、熊本県天草をフィールドとした観光振興に関する事業提案について発表しました。

日本観光学会は1960年に観光事業に関する学術の進歩・普及を目的に設立され、大学を始めとする研究機関や官公庁、観光事業などに所属している約300名の研究者が参加している日本有数の観光学会です。発表したのは、新田時也准教授(経営学部観光ビジネス学科)の指導で、若者文化(オタク・カルチャー)と地域振興を結びつけ、地元企業とともに地元産の素材を用いた特産品開発による地域活性化の研究に取り組んでいる梅田晋太朗さん(総合経営学部マネジメント学科4年次生)と山室公紀さん(経営学部観光ビジネス学科3年次生)。2人は、「フードツーリズム×『オタク』vs『サブカル』=地域経済活性化!? ~熊本県天草をフィールドとした観光振興の事業提案~」をテーマに、かつて養蚕業が盛んだった天草市と静岡県松崎町の地域活性化につなげようと、繭と桑をイメージしたロールケーキ開発に取り組んだ成果を発表しました。

ロールケーキ開発は、清水キャンパスに勤務していた新田准教授が静岡県松崎町から食用の桑を使った商品開発を相談されたことをきっかけにスタート。「知産地商」に所属する12名の学生たちが天草市における養蚕の歴史などを学び、商品のイメージやパッケージデザインなどのアイデアを提案。同市でオリジナル菓子製造を手がけるイソップ製菓の協力で、松崎町産の桑の葉を練りこんだ「あん」を使い、カステラ生地に白と茶葉を混ぜた緑色の2種類を用いて繭の白と桑の緑を表現したロールケーキ開発を実現しました。

発表では、ロールケーキ開発を「知産地商」が取り組むブランドづくりの基礎と位置付け、その過程を報告。マーケティング・テストなどで得た意見をデータベース化し、味や価格設定、パッケージデザインについての意見をイソップ製菓の担当者と協議して商品開発にフィードバックした様子などを振り返り、紹介しました。中心となってプロジェクトを担い、発表した梅田さんは、「学習ではなくビジネスとしてマーケティングに取り組みました。この成果をもとに、今後は『オタク・サブカルチャー』を地域活性化に生かすソフト面の開発に力を入れていきたい。多くの専門家を前にしての発表は緊張しましたが、激励や助言をいただき、意見交換をするなど貴重な経験となりました」と語っています。

なお、同学会では新田准教授も「食文化を活用した観光振興の方策~熊本の六次産業を事例として~」と題して発表。学会奨励賞を受賞しました。新田准教授は、「学生たちは商品企画から販売、学会での発表と、本学が育成する『自ら考える力』『集い力』『挑み力』『成し遂げ力』を見事に具現化しました。この経験を将来に生かしてほしいですね。このたびの受賞は光栄です。今後も、実践的なまちづくりに力を注ぎ、学生の指導に当たりたいと思います」と話しています。

また、今回の学会では本田量久准教授(観光学部)と藤田玲子准教授(外国語教育センター)も「新規国際観光地化へ向かうローカルエリアの言語ニーズ調査」をテーマに発表しました。

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