情報技術センターが2015年度研究・開発報告会を開催しました

東海大学情報技術センター(TRIC)が2月13日に代々木キャンパス2号館で、「2015年度東海大学情報技術センター研究・開発報告会」を開催しました。本センターは、大学での研究成果を総合的にとらえ、その高度利用によって広く社会に貢献することを目的として1974年に開設しました。86年には世界に先駆けて、大学における初めての人工衛星データの受信施設「宇宙情報センター(TSIC)」を熊本県に設置しています。本報告会は、両センターが重点的に取り組んでいる画像情報工学分野の研究・開発や衛星データの受信、処理、配布に関する研究の成果をより学術的に活用し、社会に還元すること目的として毎年開催しているものです。当日は教員や学生、研究者など約100名が参加しました。

はじめに情報技術センター所長代理で情報理工学部長の長幸平教授が登壇。「この報告会は、本センターや共同研究をしている機関の皆さんに最新の研究・開発の成果を紹介していただくだけでなく、交流を広げていただくことも目的です。ぜひ積極的に情報交換し、新しい研究開発へとつなげてほしいと思います」とあいさつしました。続いて、センターの研究者ほか、他大学や警視庁、国土地理院、気象庁の研究者らが14テーマについて研究概要を発表。被災地の環境再生モニタリングの基礎研究や共同研究、映像解析、ヒューマンセキュリティや考古学調査への活用といった開発系の研究活動報告、衛星データの受信処理や運用など、多様な分野に関する研究開発の概要を紹介しました。終了後は4号館に会場を移して情報交換会を実施し、先進技術や他分野への応用などについて意見を交換しました。

なお、研究テーマと発表者は以下のとおりです。
【研究系活動報告・共同研究1】
○衛星観測と現地調査による被災地の環境再生モニタリング
長 幸平(TRIC所長代理・情報理工学部長・教授)
○ソーラーカーレース支援のための気象情報可視化・配信システムの構築
山本義郎(TRIC・理学部数学科教授)
○世界土地被覆分類アルゴリズムの開発
福江潔也(TRIC次長・情報理工学部情報科学科教授)
○コンピュータ筆跡鑑定に関する研究
常盤公德(警視庁科学捜査研究所)

【宇宙情報センター活動報告・共同研究2】
○宇宙通信システムの地上系
横塚英世(TRIC准教授)
○超小型衛星HODOYOSHI-3&4の運用成果とその発展
松本 健(東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻)

【開発系活動報告・共同研究3】
○防犯・監視ビデオ映像・秘匿採証画像を対象とした画像取得・解析技術開発
立石広康(TRIC)
○次世代映像規格(4K)に関する画像処理を考慮した撮影基準実験検証
高木靖史(警視庁)
○多衛星データを用いた古代都市遺跡調査
惠多谷雅弘(TRIC事務長)
○宇宙考古学と歴史空間学―秦の始皇帝陵を事例として
村松弘一(学習院大学国際教育研究機構教授)

【共同研究4・トピックス】
○近接LIDAR計測による森林計測Space LIDARの地上検証手法の開発
梶原康司(千葉大学環境リモートセンシング研究センター講師)
○LANDSAT-8データ等を用いた国土モニタリング
笹川 啓(国土地理院応用地理部環境地理課)
○静止気象衛星「ひまわり8号」搭載可視赤外放射計(AHI)の先進的な観測機能
操野年之(気象庁観測部気象衛星課)
○今後の地球観測計画と研究・開発の展望
下田陽久(TRIC)

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