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今日の文明社会は、高度の科学技術によって支えられています。20世紀の人類はわずか100年の間に月に到達し、原子の火を燃やし、遺伝子という生命の謎を解く鍵を手に入れました。その一方で私たちは、こうした先端技術が、扱い方を間違えれば人類を危機に導きかねないという時代に生きています。あるいは、21世紀の初めには100億人を超えるといわれる世界人口の増加は、地球の温暖化や食糧危機を促すといわれています。地球レベルでの環境破壊など、現代の文明社会の歪みも明らかになってきました。また、世界の秩序は新しい枠組みの構築に向かってボーダーレス化が進む一方、ますます多様化し南北問題、地域紛争、民族・宗教対立が深刻化しています。そして、核軍縮が進んだといわれながらも依然として地球上には大量の核弾頭が存在しています。
こうした時代に、私たちは何をなすべきか・・神やイデオロギーだけで人々の価値観が形成されていた時代から多様な価値観が存在するカオスの時代へ、21世紀に向かって、私たちはいま、大きな歴史の転換期を迎えています。違う価値を排除するのではなく、多様な価値の存在を認めながらお互いが共存していく道を探っていくこと、そこに人と人、国と国、人と自然との新しい関係が生まれてくるはずです。生命科学の発達は、地球上の生きものの全てが同じ一つのいのちから生まれたことを明らかにしつつあります。私たち人類も何百万種といわれる地球上の生きものの一つとして存在しています。それゆえ、地球生命圏の一員としての新しい思想を構築しながら、未来の扉を開いていかなければなりません。
人類は長い歴史の中でさまざまな対立を繰り返してきました。これを克服し、人々が地球市民として心をつなぎ、人と社会と自然が共生できる新しい文明社会の実現をめざすこと・・そこに学校法人東海大学の使命があるのです。
学校法人東海大学 総長
松前 達郎
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