建築学専攻(修士課程)

2015年度以前入学生

建築学専攻は、建築学の深奥を究めようとする学部卒業生の熱意並びに産業界から要請された技術者・研究者を育成するため、1964年(昭和39年)4月に修士課程を設置したことに始まる。建築学専攻は、創立者故松前重義総長の建学の精神と創設の当初から同志として学園の建設に協力し、同時に大正、昭和を通じて日本の分離派建築運動の指導的建築家として著名であった故山田守初代主任教授の建築理念をもとに、以来一貫して幅広い教養と確固たる歴史観、人生観に裏打ちされた高度な建築知識と技術を身につけ、自らの信念と責任のもとに建築の各方面で実社会に貢献しうる指導的人材を育成することをその教育目標としてきた。大学院の設置当時、本学創立者の山田守教授をはじめ耐震工学の世界的権威者であった内藤多仲教授と西洋建築史の権威であった森田慶一教授が中心となり、我が国の有名な教授を大学院の非常勤講師として数多く招聘した。その教授陣の質の高さは他大学の大学院を圧倒するものであった。この当時の授業は主に、代々木校舎で行われていた。1987年(昭和62年)から各教員の研究室が代々木校舎から湘南校舎へと移るにしたがい、大学院の授業も次第に湘南校舎で行われるようになった。また、指導教員の研究分野は、計画系、構造系、材料施工系および環境・設備系の4系統で構成されている。

大学院設置当初は、教育目標を高度な専門的知識を有する技術者の育成に置いていたが、1994年(平成6年)度からは、幅広い専門的知識を身につけた高度な専門技術者の育成に方向を転換した。これは、これからの国際社会を見据えた本学の建学の精神に適応した人材の育成を図ることを本専攻の教育目標としたためである。建築学には、もともと工学系と計画系があり、大学院生はいずれかの系しか授業を履修しなかったが、それ以降垣根が取り払われ、二つの系を履修する学生が多くなった。その結果、大学院生の専門分野の幅が広くなり、両分野を活かした応用性のある修士論文あるいは修士設計が見られるようになった。本来、建築学専攻の研究領域は、きわめて多岐に渡っている。計画系では建築史から哲学に至るまで幅広い研究、環境・設備系では冷暖房設備や太陽熱の住宅への利用に関する研究、構造系ではシェル構造物の実験および解析、梁・柱の耐力実験および地盤改良に関する実験研究、材料の分野ではコンクリートの通気性や雨仕舞の研究がなされている。また、1973年(昭和48年)度からは、修士設計が認められるようになり、毎年7~8名程度が修士設計を選択している。修士研究・設計作品とも当専攻教室会議において、厳正な審査を行っており、毎年指導教員の優れた指導のもとで、優れた成果を挙げている。大学院生の中には在学中に学外の優れた賞を受賞する者もいる。加えて、大学院生は、TA(ティーチング・アシスタント)という教育活動を通じ、学部学生に非常に良い影響を与えており、1966年(昭和41年)度にはわずか4名にすぎなかった入学者が、現在では全学生の15%程度の数に達している。

2009年度からは一級建築士実務経験認定制度の改変に対応し、講義科目の他、演習およびインターンシッププログラムが新たに加わり、従来の研究の他社会状況に対応した内容となっている。

建築学専攻が養成しようとする人材

建築学専攻では、専門領域の特性に合わせた精選された独自のカリキュラムにしたがい教育研究指導を行っている。すなわち、学部教育に続いて、より高度な専門的知識を授け、指導教員による研究を中心とした個別指導によって、問題発見解決型の能力と研究に関する基礎的素養を備えた人材を育成している。最近の建築設計・施工技術は高度化、多様化、学際化が著しい。その中で、自然環境に配慮し、安全性・経済性に富んだ建築が要望されている。建築学専攻では、専門家としての学識、設計・研究能力の開発ばかりでなく、地球的規模の自然環境破壊が懸念される中で、技術万能という考え方ではなく本学の特色である正しい歴史観および世界観に基づく人間性豊かな創造力溢れる人材の育成を目指して、大学院教育を遂行している。

学生募集停止について

建築学専攻は2016年度入試より学生の募集を停止します。
在学生には、修了まで責任を持って教育を提供してまいります。
なお、同専攻の教育・研究分野は2016年4月設置の工学研究科建築土木工学専攻に引き継いで行います。