医用生体工学専攻(修士課程)

医用生体工学は医学と工学の学際領域に生まれた新しい学問体系である。その内容は、工学全般で発達した理論、技術、機器、システムなどを医学に導入して生命科学の研究や医療の科学技術化を促進する「医用工学」と、生命体の巧妙で卓越した構造や機能を工業機器やシステムに応用する「生体工学」とから構成されている。医用生体工学専攻は医用生体工学に関する基礎と応用研究を中心とした高度な学術研究を推進するとともに、研究者の養成および高度な専門的能力を有する専門職業人の養成という役割を担っている。

医用生体工学専攻においては、学部教育で培われた幅広い教養と医学および工学全般の学際的知識や実践的学習に基礎を置き、より高度で専門性の高い医用生体工学に関する先端分野の教育を行なう。同時に、他専攻との連携による先端科学技術の発掘や技術移転のヒントが得られるように、また国際的視野が高められるように授業科目の配置がなされている。特論講義、演習、研究などのいずれの科目においても主体的な目標設定とその自主的解決ができる資質の養成を目指し、独創性を磨くことを主眼とした教育を展開している。

基礎学力と幅広い教養があれば出身学部・学科の枠にとらわれずに全ての科目の履修が可能である。産学協同を重視し、知的所有権に関する講義も用意され、企業との共同研究を活発を活発に行っている。また、学部課程の医用生体工学科では臨床工学技士(CE)の養成を行っているが、臨床工学技士の資格を取得した後、さらに高度な専門的知識や能力を大学院において修得し、医療機関等、臨床の現場で指導的な立場で働くことのできる人材の養成にも力を入れている。

医用生体工学専攻が養成しようとする人材

医学と工学の境界で双方の特質を考慮して生体の仕組みを工学に応用し、また工学の成果を医療に応用しうる人材の育成を目指す。さらに、CEに対しては臨床現場で高度な学識と技能に基づく指導的な役割を担える人材の養成を教育目標とする。

カリキュラムの特色

必修基盤科目として「生体工学特論」、「生体システム特論」を配し、この領域に必須の知識を習得するほか、「工学倫理知財特論」および「TECHNICAL ENGLISH FOR ENGINEERS」を配置して社会で活躍できるセンスと国際感覚を養う。

本専攻で扱う領域は、基礎研究から病院の臨床現場での知識に至るまで多様な内容を含んでいる。そこで、領域別発展科目では工学系領域と臨床系領域に大別されているが、それぞれの位置づけと互いの関連性が認識できるよう配置されている。臨床工学においてとりわけ重要な循環器系や透析などの領域に対応する「呼吸循環力学特論」、「臨床透析学特論」は履修者にとって重要な科目となる。また、CE有資格学生は「臨床工学インターンシップ1および2」により、必要に応じて現場の業務に触れる機会も得ることができる。

修士論文に向けた研究を推進するための「医用生体工学研究ゼミナール1~4」では各教員による専門性の高い指導により、着想から計画、実施、分析から発表に至る過程を学び、実践力を涵養する。