史学専攻(博士課程<前期・後期>)

史学専攻が養成しようとする人材

狭量な学問領域や学界の枠を越えて活躍できる人材育成を、社会は大学に求めている。史学専攻の教育目標も、当然それに応えるべきものでなければならない。

史学専攻での研究実践を通しての人材育成であるが、それは今日の社会に適応し、かつ社会に対して新たな提言のできる人材でなければならない。こうした人材を養成することが本専攻の目標であり教育方針である。

この教育方針を具現化するために、専攻独自のさまざまな試みをしている。以下、本専攻の特色と、教育・研究の実践について、述べていくこととする。

本専攻の特色

史学専攻は、日本史学、東洋史学、西洋史学、考古学の4分野で構成されている。伝統的な文献史学の3専攻に、考古学を加えることによって本専攻は、総合的な人類史を追究する視点を持つにいたっている。

もとより上記4分野は、それぞれ、わが国において伝統的に行われてきた研究を継承し、それを精緻に行っている。これに加えて本専攻は、より広い研究対象を持つよう努力してきている。たとえば、日本史学では外交史や社会史、東洋史学では中央アジア史、西洋史学では地中海史、考古学では材料分析・応用考古学などの研究の遂行があげられる。これが本専攻の特色である。

さらに4分野間の学問的交流、および「11大学院特別聴講生(史学専攻)に関する協定」を結び他大学院との交流を活発にし、学問研究の細分化・専門化によって引き起こされるさまざまな弊害を克服すべく努めている。

以上述べてきたことを総合して、本専攻は、史学研究のパラダイムを提示することを専攻の目標としている。それによって、グローバルで柔軟な思考をする人材を養成することができると考えている。

本専攻の教育・研究実践

各分野が精緻な実証的研究に重きを置いていることは自明である。ここではそれ以外の教育・研究実践について述べていく。

文学部歴史学科および文学研究科史学専攻は学会組織「東海大学史学会」を有しているが、その組織と連携しながら、教員・院生の研究状況を公開している。それによって、相互批判の場を提供し、研究活性化をはかっている。また、学外の学会・研究会への院生の積極的参加を促し、客観的に自己の学問的力量を知る機会を持つように指導している。

考古学では野外調査に、日本史学では文書の調査・整理に重きを置き、実践を通して学問的課題を導きだす訓練を行っている。また各分野は、考古学と日本史学(沖縄・北海道の開拓史・入植史調査)、西洋史学と東洋史学(東西交渉史料の追跡)、考古学と西洋史学(エジプト・オリエントとの比較)など、共同研究を重ねてきている。それらの実践を通して、狭量な学問領域の殻を打ち破るべく努めている。

そして、本専攻の院生には、自己の研究成果を学内外に発信するために、まず本専攻の学会組織「東海大学史学会」の月例会と大会の場で、年1回以上の口頭発表を行うことが求められる。さらに博士課程後期の院生については、学位論文の作成を視野に入れて、学会での口頭発表を年1回以上行うこと、本専攻の機関誌『東海史学』と『湘南史学』(日本史)や学外の学術雑誌に原著論文を2年に1本以上投稿することを目標とする。

冒頭にあげた本専攻の教育方針の具現化は、以上述べてきたことを積み上げて、さらに内実をたかめることで可能となると考えている。