海洋工学専攻(修士課程)

海洋工学専攻は、海洋学の中の工学の分野を包括する専攻で、海洋計測工学、海洋情報工学、海洋土木工学、海洋環境工学、海洋景観工学、船舶工学、航海工学、物流システムなどを主体とする。

海洋と人類との関わりは、科学的探究、生活必要性、情緒的充足という分野に大別できる。それは長い歴史を有する水産資源の利用および海上輸送に加え、20世紀中頃から始まった海洋の組織的調査と観測、海洋環境の保全、海底や海水中に賦存する資源の開発利用、海洋エネルギーの開発利用、海洋空間の利用、マリン・レクリエーションやスポーツの享受などである。これらの海との関わりにおいて、人間生活と自然環境との整合を図りつつ、物理現象や自然現象の法則性、原理を技術として利用・応用し、人間にとって真の意味での快適な生活のための道具、装置、システム、技術を創造する学問が海洋工学である。

海洋工学専攻は、研究ゼミナール名に冠せられる「海洋計測工学」、「海洋土木工学」、「海洋システム工学」の3分野から成り、以下の教育内容を有する。

「海洋計測工学分野」
海洋環境および海洋生物資源量などの把握や変動予測、外航航路の船舶運航・管理およびその安全性の確保などの目的で、気象、海象、水中音波、光、電磁波等、種々の物理量の計測が行われる。海洋のサイズ、海水の物理学的特性および気圏との相互作用領域の不安定性などに起因して、海洋での計測には種々の困難があるため、それを克服する技術が展開されなければならない。また、計測された海洋データから必要な情報を抽出するための解析技術には、海洋物理学に立脚した新しい手法の展開も必要である。海洋計測工学分野では、電気応用計測、音響工学、海洋光学、沿岸海洋学、海洋情報工学、航海システムなどに関連する講義科目に並行して、海洋計測技術、情報解析技術に関連した研究を行う。

「海洋土木工学分野」
道路、鉄道、橋梁、河川、港湾、空港、防災設備など安全快適な市民生活や、活発で効率的な生産・流通活動を展開する基盤は、土木工学の技術によって実現される。海洋に関わる海洋土木工学には、さらに、ウォーターフロントの開発、栽培漁業施設の設計、沿岸環境の保全など、沿岸域での生活や生産活動の問題解決も含まれる。海洋土木工学分野では、海洋の有する科学、物理、空間的ポテンシャルを引き出し、地球の資源や環境、流通や交通など様々な問題解決をはかることを目標として、構造力学、土質力学、水理学、地盤工学、海洋構造物などの講義科目の履修とあわせ、海洋に関わる全ての科学と工学領域の知識を融合した研究を行う。

「海洋システム工学分野」
海洋は海水で満たされた、陸上とは大きく異なる自然環境である。海洋における人類の活動のためには、それぞれの目的に合ったシステムが必要になり、その計画、設計、製作、保守のための各種技術と、このような技術の体系である工学が要求される。海洋システム工学分野では、このようなシステムの中核をなす船舶、海洋構造物、潜水艇、海中機器などを対象として、計画論、設計論、船舶抵抗推進理論、浮体運動理論、浮体構造解析理論、材料強度論、システム制御理論などの講義と演習を行い、海中ロボットやマリンスポーツギアの設計製作と実海域における活用等に関する研究を行う。応用分野として、国際的な輸送システムや在庫管理をはじめとする物流(ロジスティクス)全般に関する研究も行う。

海洋工学専攻が養成しようとする人材

海洋工学専攻では研究指導教員の指導の下で、専門学会での発表や論文誌への投稿に価するだけの独創的研究を行う。この研究活動を通して研究に必要な基礎知識や研究者としての姿勢を学ぶ。また、講義からは研究テーマの周辺における学識が賦与される。このような教育を通して、海洋科学に関する幅広い知識を有し、海洋科学の発展を支える工学分野での優れた技術を身につけ、かつ、この知識と技術を他分野へも応用できる柔軟な適応力を備えた人材を育成することを教育目標としている。

学生募集停止について

海洋学研究科海洋工学専攻は、2015年度入試より学生の募集を停止しています。
在学生には、修了まで責任をもって教育を提供してまいります。