バイオサイエンス学科の永井准教授が「日本抗加齢医学会」で最優秀演題賞を受賞しました

農学部バイオサイエンス学科の永井竜児准教授(食品生体調節学研究室)が、5月29日から31日まで福岡国際会議場で開催された第15回日本抗加齢医学会総会で、最優秀演題賞に選ばれました。同学会は、老化のメカニズムや老化のマーカー、食品成分による予防など、老化について医学・薬学・農学・食品学など多分野にわたる研究者が一堂に会すものです。

永井准教授が今回発表した演題は「簡便なミトコンドリア機能異常の評価法の確立」です。ミトコンドリアは、酸化的リン酸化によって細胞内ATPの8割以上を産生するほか、脂質の合成や糖新生、細胞内カルシウム濃度の調節など、さまざまな生理機能に関与する重要な細胞内小器官として知られています。近年、ミトコンドリアが活性酸素の主要な発生源であることから、その機能異常によって老化をはじめ糖尿病、がん、神経疾患、心不全などにも関与していることが明らかとなっています。永井准教授らの研究グループは、ミトコンドリアの代謝異常によって細胞内で濃度が上昇するフマル酸という物質がアミノ酸のシステインと反応してS-(2-Succinyl)cysteine (2SC)が生成し、2SCの血中濃度を質量分析装置で測定することで、生きた動物の臓器を摘出せずにミトコンドリアの機能異常を評価する手法を確立しました。永井准教授は、「農学部で積極的に進めている『食品の機能成分を用いた予防医学』の研究業績と今後の応用性が認められ、今回の受賞に結びつきました」と話しています。

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