建築学科の小野さんが「第4回 2017 都市・まちづくりコンクール」で審査員賞を受賞しました

工学部建築学科4年次生の小野里紗さん(指導教員=工学部建築学科・吉松秀樹教授)が、3月4日に大阪市で開催された「第4回 2017 都市・まちづくりコンクール」で江川直樹賞 (審査員賞)を受賞しました。このコンペは、都市計画を研究領域に取り組んでいる学生に発表の場、それを評価する場や学生同士が交流する場の提供を目的として催されています。今回は68件の応募がありました。

小野さんは、渋谷川再生・緑化計画が進められている東京・渋谷駅南口を対象敷地とした「うつろいのある建築-都市の裏・渋谷川に自然を感じさせる空合いroof」を提案しました。渋谷駅南口には、渋谷川が流れていますが、現在はコンクリートで両岸を固められ用水路のような姿になっており、その東側はペンシルビルが建ち並んでいるため、日の光が当たらず自然を感じられません。また、猿楽橋と新並木橋によって人の動線は明治通りへ流れており、渋谷川の存在は都市の裏となり人の意識からも外れています。

そうした問題を解決するため、小野さんは猿楽橋から直接南口へアプローチできる動線を生み、建物同士をつなぎ合わせながら代官山と渋谷をつなげ、四季や天候のうつろいによって自身の拠を生む、憩いの場として、渋谷川を都市の表にする建築を設計し提案しました。自然を感じる要素として流れ(スピードのあるもの)と溜まる(スピードのないもの)を形態に取り込み、天候を流すカサと天候を掬うカサを南口一体に点在させました。それにより、建物同士の希薄化した関係をカサによって建物のエントランスを拡張させることで用途を滲み出させ交流を生み、カサ上では刻々と変わる空の様子が映し出されることから、カサ下・上で南口一体の場を共有し、常に四季や天候によってうつろい続ける「みんなの拠」を生み出しました。

「この提案は、自然では感じることができる四季や天候のうつろいを都市では感じられないという問題意識から始まっています。研究にあたっては、その敷地の一年を通した日照時間から影を分析し、光を取り込み、提案をパスでつないでいきました。また、既存建築と現在行われている渋谷南街区プロジェクト、今回の提案の調和も考えて設計しました。東海大学では、多くの同級生と切磋琢磨する中で自分の考えをわかりやすく伝える、見せる力や発表する力がつき、企業が抱える問題の解決策を提案する『ものづくり学生サミットin湘南キャンパス』があるなど、ここでしかできない経験が多く積めたと感じています。今回の成果も生かし、将来は常にチャレンジをし続けていける建築家になりたい」と話しています。

なお小野さんは、同じ研究で本学科同窓会である東海大学建築会卒業設計賞(KD賞)最優秀賞も受賞しています。

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