サウジアラビア・KAUと開発したソーラー無人飛行機が完成しました

工学部がサウジアラビア王国のキング・アブドゥル・アジーズ大学(KAU)と共同で開発を進めてきたソーラー無人飛行機が、12月12日に完成しました。このプロジェクトは2012年にスタート。本学からは工学部航空宇宙学科、電気電子工学科、精密工学科の学生約30が学科の垣根を越えて参加してきました。2013年にはサウジアラビアと日本両国内で翼幅3.7mの「サンファルコン1」の試験飛行を成功させ、昨年5月には日本で翼幅を7.6mに大型化した「サンファルコン2」(SF2)の試験を行ってきました。

完成に向けて12月4日から17日まで、大学院生と学部生6名のほか、福田紘大准教授(工学部航空宇宙学科)と新井啓之講師(情報教育センター)がサウジアラビアに渡航。SF2の改良型をKAUの学生と協力して製作しました。この機体は13日から15日までサウジアラビアのジェッダで開催された航空関係の国際展示会「Saudi Aviation Training Conference and Exhibition 2015」に出展。国際連携による教育プロジェクトとしてサウジアラビアだけでなくUAEやエジプト、クエートなどの政府・教育関係者から高い注目を集めました。

参加した相良陽介さん(大学院工学研究科電気電子システム工学専攻1年次生)は、「価値観の異なる外国人と一緒にプロジェクトを進める貴重な経験を積むことができました。この経験は社会に出てからも必ず生きると思います」と感想を語っています。また造山高明さん(同航空宇宙学専攻1年次生)は、「文化の違いに戸惑うこともありましたがサウジの学生は疑問に思ったことは何でも聞いてくる積極性があり、その姿勢は見習わなければならないと実感しました。なにより国際プロジェクトを円滑に進める実践的な力が身についたと感じています」と話しました。

プロジェクトでは、1月30日と31日に群馬県太田市で、日本で製作した同型機体の試験飛行を実施。今後は、論文などを通じてその成果を発信していく予定です。福田准教授は、「今回のプロジェクトを通じて、ソーラー無人飛行機の研究開発や国際連携にもとづくプロジェクト・ベースド・ラーニングをさらに進める土壌ができあがったと感じています。参加した学生も、日本とは違う多くの制約や困難を乗り越えながら大きく成長してくれました。教育的にも高い効果があるこうした取り組みを今後も積極的に進めていきたい」と話しています。

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