大学院総合理工学研究科の学生がサステイナブルトライボロジー会議のポスター発表で最優秀賞を受賞しました

大学院総合理工学研究科博士課程1年次生の酒井風馬さん(指導教員=工学部機械工学科・落合成行教授)が、2016年10月31日から11月2日まで鹿児島県・奄美大島で開催された「サステイナブルトライボロジー会議2016奄美大島」で、ポスター発表・最優秀賞を獲得しました。トライボロジーとは摩擦や摩耗、潤滑にかかわる科学技術を対象にした学術分野で、多くの産業に関連しています。同会議は日本トライボロジー学会の6研究会が合同で主催したもので、産官学各界から多数の研究者が参加しました。

酒井さんは橋本巨特任教授、落合教授、砂見雄太講師の指導を受けて、油を潤滑剤に用いた流体軸受の研究を行っています。その一環として、軸受に供給する潤滑油を減らした状態で軸受内部の軸受油温度について実験・検討した結果、従来の予想に反して、軸受内部に発生するキャビテーション(空気相)が油を冷却し、軸受内部の温度上昇が抑制されることを確認。その成果である「小口径ジャーナル油膜軸受におけるキャビテーションと油膜温度の関係」と題した発表が、今回58件中5件の最優秀賞に選出されました。

酒井さんは、「修士2年次に研究テーマが変わって不安が大きかったので、受賞は本当にうれしく、先生方の指導や研究室の後輩のサポートのおかげだと感謝しています。機械工学科の研究室は幅広い分野がそろっているため、異なる分野の人にわかりやすく説明する力がついたと実感しています」と受賞の感想を述べました。さらに「機械工学科の授業では、研究を追求することの面白さを強く実感できます。学部1~2年生で研究室見学を行うほか、文部科学省主催のサイエンスインカレ(学生による自主研究の祭典)に学部3年生からでも挑戦できるなど、自らが行動すれば多くのチャンスが与えられる魅力的な学部だと考えています。今後は、回転機械と軸受の歴史や現代技術について学び、博士課程中に質の高い論文を投稿していきたい」と抱負を語りました。

落合教授は、「酒井さんは、エネルギッシュで思いやりがある学生です。今回の受賞は、本研究成果の社会的有用性やプレゼンテーション能力が高く評価された結果だと思います。今後は数値解析によってアプローチを深めて、実用的に有益となる研究成果を世に発信してほしい」とコメントしています。

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