日本原子力学会のフェロー賞を原子力工学科の4年次生と大学院生が受賞しました

工学部原子力工学科4年次生の学生菊池遼さんと大学院工学研究科応用理学専攻2年次生の布川大樹さんが日本原子力学会のフェロー賞をそれぞれ受賞。3月27日から29日まで本学湘南キャンパスで開催された日本原子力学会「2017年春の年会」に合わせて行われた表彰式で、賞状と記念の盾を授与されました。この賞は、原子力・放射線分野を学び修めた学業優秀な学生・院生を対象に授与し、顕彰するもので、全国の大学・高専の原子力工学系の学科と専攻から本年度は33名に贈呈されました。

菊池さんは、卒業研究(指導教員:大江俊昭教授)で放射性廃棄物をガラスと溶かし合わせて作るガラス固化体が発する熱について研究し、ガラス固化体の内部と周辺で発生する熱量の変化について、独自のプログラムを使って解析しました。「原子力工学科では、講義を通して放射線に対する正しい知識を学び、また実験では放射線の扱い方を身につけられたと考えています。また、研究を通して、講義で学んだ理論や数式の応用法も身につけることができました」と話しています。

一方の布川さんは修士論文(指導教員:亀山高範教授)で、原子力発電プラント挙動の機構論的な計算プログラムを搭載し、グラフィカルな入出力機能をもつ本学の原子炉シミュレータを用いて、国内沸騰水型原子炉BWRプラントで炉心が溶融する過酷事故の進展を視覚的に解析し、原子炉の安全策を考案しました。また、修士論文の成果の一部を、原子力学会2017年春の年会などで3回、口頭発表しました。「先生方の熱心な指導のおかげで今回のような立派な賞をいただくことができました。今後は、先達の培ってきた知識や技術を活用しつつ、社会のニーズを敏感にとらえる力を磨いていきます」と語りました。

菊池さんは2017年4月から本学大学院工学研究科応用理化学専攻に進学し、布川さんは株式会社日立製作所に勤務しています。

原子力学会フェロー賞_525.jpg