原子力工学科で本年度第2回「入門ゼミナール2講演会」を開催しました

工学部原子力工学科では10月30日に湘南キャンパスで、本年度「入門ゼミナール2 第2回講演会」を実施しました。原子力業界で活躍する卒業生を招き、仕事の内容や学生時代に学んでおくべきことなどを知る機会として1年次生の秋学期必修科目「入門ゼミナール2」の一環で行っているものです。当日は1年次生をはじめ、就職活動前の3年次生や教職員ら約80名が聴講しました。

今回は、田中真樹氏(公益財団法人原子力安全研究協会 放射線災害医療研究所 次長)が、「今、原子力分野に求められること」と題して講演しました。田中氏ははじめに、公益財団法人としての同協会の仕事の特徴や組織、事業内容を紹介。続けて、福島での放射線線量測定やチェルノブイリ原子力発電所の視察などの実状報告をはじめとする、自らの経験を踏まえた、同協会が行っている放射線防護や廃棄物に関する調査研究、国際共同研究の成果など多岐にわたる活動を説明しました。田中氏は、「原子力発電所の事故では、被ばくと汚染の形態を見極め対処していくことが重要です。今後は放射性廃棄物に関する調査研究とともに、検査従事者の育成講習や委託事業の入札に際しての企画提案なども必要となります」と解説。最後に「学生時代に放射線取扱主任者などの資格試験も視野に入れて勉強したほか、幅広く学んだことが、今の仕事に役立っています。一方で、実際の仕事では専門家や行政の方などさまざまな分野の人材と共同で仕事を進めるため、コミュニケーション能力は不可欠です」とアドバイスしました。

講演後には、学生から原子力安全研究協会の組織や専門家の割合や大学院での研究、今後の原子力発電、会社選びのポイント、ゼネラリストの強みなどについて活発な質問がありました。学生たちは、「具体的な仕事内容を聞けたので、就職活動を進める参考になりました」「資格試験を勉強する時期などについて具体的なアドバイスを参考に、夏休みなどを有効に使って私自身も資格取得に挑戦したいと思います」「原子力分野の幅広い活動領域が理解できただけでなく、スペシャリストとゼネラリストの違いもわかったので、あらためて自分に適した進路を考えていきたい」と話していました。

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