原子力工学科・内田教授と大江教授の退職記念最終成果報告会を実施しました

工学部原子力工学科では3月10日に湘南キャンパスで、内田裕久教授と大江俊昭教授の退職記念研究成果報告会を開催。教職員や卒業生、学生ら約150名が参加しました。内田教授は、1975年に本学大学院工学研究科金属材料工学専攻修士課程を修了後、ドイツのマックス・プランク金属材料研究所で研究員となり、本学では研究推進部長や工学部長などを歴任しました。大江教授は、95年に本学着任後、本学科や大学院工学研究科応用理学専攻主任として教育研究に尽力してきました。

最初に内田教授が「東海大学と半世紀~学生、教員、事務職、研究者として」と題して講演。水素吸蔵合金や愛媛県西条市と連携して進めてきた水素エネルギーを活用したイチゴの通年栽培やサツキマスの陸上養殖技術の開発の成果を紹介しました。さらに、研究推進部長や工学部長としての経験を踏まえ、「大学の評価を高めるためには、社会から存在価値を認められるか否かが重要になる。そのためには、企業や自治体と連携して研究を進める視点を持ってほしい」と強調。そのうえで、「学生や卒業生には、東海大学出身の誇りを持って活躍してほしい。日本国内だけで通用する小さな価値観に支配されず、創立者・松前重義博士のようにグローバルな視点を持ってほしい」と語りかけました。

続いて大江教授が「再修講義~一専多能~」のテーマで講演しました。これまで教育、研究に携わってきた経験をもとに、工学は未来を予測する学問であること、そのためには、数式を解く際にはその背後にある考え方に目を向ける必要があることや、常に結果をイメージしながら何事も自分で取り組むことの必要性について語り、東京電力福島第一原子力発電所の事故にも関連して、「工学者にとっては常識となっている事実でも、一般の人の感覚と合致するとは限らない」と指摘。「一つの専門分野に興味を持ち続けていれば、そこからすそ野が広がっていく。過去に考えた課題も、その時には答えが見つからなくても、いつかは解ける日がくるものです。そのために費やした努力は決して無駄にはなりません」と学生たちに向けてアドバイスしました。

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