「”バナナの逆襲”自主上映会&トークイベント~バナナから世界を考える~」を開催しました

教養学部では昨年12月9日に逗子文化プラザ・市民交流センターで、公開イベント「“バナナの逆襲”自主上映会&トークイベント~バナナから世界を考える~」(後援:逗子市)を開催しました。新たな時代を生き抜く社会的役割を担う力を育てる本学部独自の「SOHUMプログラム『アースミュージアムプロジェクト』」の授業「人間学2」を履修している学生と教員が、「逗子フェアトレードタウンの会」との共催で実施したものです。本授業では「身近な暮らしの中の世界とつながる課題を考える」をテーマとしており、今年度はバナナ(特に原産地の問題等)から世界を考え、公正・公平で持続可能な社会を創造するきっかけを探り、フェアトレードやフェアトレードタウンの普及啓発につなげるために活動することを目指しています。

当日は、授業を担当する人間環境学科自然環境課程の岩本泰准教授がイベントの趣旨を説明し、第1部ではドキュメンタリー映画『バナナの逆襲』の第2話を上映しました。バナナの逆襲は、中米ニカラグアのバナナ農園で農薬被害に苦しむ労働者が起こした裁判を追ったドキュメンタリー映画を制作したスウェーデン人映画監督のフレドリック・ゲルテンが、農薬を使用している巨大企業から訴えられ、さらにバナナ農園の生産者も使用禁止農薬による被害を訴えるといった様子を2部構成で描いたもの。多国籍化する食糧生産システムの闇だけでなく、グローバリズムにおける世界のいびつな構造が描き出されています。

続いて第2部では、株式会社オルター・トレード・ジャパンの小林和夫氏が、「フィリピンバナナと私たち」と題して講演。講演では、特にバナナ栽培に使われている農薬の問題について、「消費者にとって気になるのは価格や安全性でしょう。でも、現地で子どもたちが通学している中で空中から農薬散布されているとか、高濃度の農薬を扱っている労働者や近隣住民に被害が及んでいるとか、産地の人々の暮らしや健康、環境にも思いをはせてもらいたいと思います。そのうえで、どういったものを買うか、という判断をしていくことが大事なのではないでしょうか」といった話がありました。その後、「私たちは、バナナから何を考えることが必要か?」をテーマに、国際学科の木下理仁非常勤講師がコーディネーターを務め、小林氏と室田憲一教授(大学院人間環境学研究科研究科長、人間環境学科自然環境課程)、授業を履修している学生がトークセッションを行いました。来場者からは、「勉強になることばかりでした。若い世代も参加しており、とても心強く感じました」「非常に興味深い映画で、機会をつくって仲間と一緒に見てみたいです。学生さんたちがフェアトレードに興味を持ち、気づき、かかわり、変わることはうれしいこと。消費者が企業に対して声を上げることが大切だと感じました」といった感想が聞かれました。

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