「ConCom2016成果発表会」で学生が企業の課題解決に取り組んだ成果を発表しました

高輪キャンパスで2月25日、「大学生コンサルティングコンペティション(ConCom2016)」(主催:三井生命保険株式会社、ConCom運営委員会、協力:全国イノベーション推進機関ネットワーク)の成果発表会が開催され、情報通信学部経営システム工学科・小村和彦准教授のゼミナールで学ぶ学生たちが、千葉県銚子市に実在する企業の課題解決に向けて取り組んだ成果を発表しました。

「ConCom2016」は、大学や専攻分野の異なる学生たちがチームを組み、地域に根ざした企業と協働して企業が直面する経営やマーケティングの課題解決を目指すプロジェクトです。同学科の田畑智章准教授と法政大学社会学部の諸上茂光准教授が中心となり、中小企業の成長戦略などを策定する事業を手掛ける三井生命保険株式会社の協力を得て初めて開催したもので、今回は本学をはじめ法政大学、神奈川大学、実践女子大学から18チーム91名の学生が参加しました。学生たちは昨年7月に開かれたキックオフミーティングを経て、千葉県銚子市で浄化槽清掃や一般廃棄物収集運搬、リサイクルなどの事業を手掛けるビジネス環境整備株式会社(BKS)を対象に、事業改善手法などに向けたビジネスアイデアを提案。その後、書類審査を経て選出された10チームが昨年9月17日に東京・大手町野村ビルで開催されたからプレゼンテーション大会に臨み、優勝した神奈川大学のチーム8名と小村ゼミの学生5名が新たなチームを組み、約5カ月にわたり事業化に向けたプロジェクトに取り組んできました。

成果発表会ではまず、主催者を代表して三井生命保険株式会社基盤推進グループの末友和雄グループ長が、「企業と学生たちの間で信頼関係が培われていく過程を目の当たりにして、やはり仕事は人と人との絆が大切と感じました。この取り組みが次のステップにつながれば」とあいさつ。続いて学生たちが登壇し、BKSが直面している課題である「浄化槽点検の作業効率化」について、動作のむだを改善し難解な作業手順をわかりやすく説明した作業マニュアルと、顧客先を効率よく巡回するためのルートを示すアプリを作成した過程を発表しました。

昨年10月から学生たちはほぼ2週間に1度、両大学のキャンパスを行き来してミーティングを重ねてきました。その過程で何度も銚子を訪問。実際に顧客先の浄化槽点検に立会い、熟練作業者の動作を解析するなどして効率のよい作業マニュアルを作成しました。巡回ルート最適化アプリの作成では、主にプログラム作成を神奈川大学の学生が、インターフェース設計を本学科の学生たちが担当。ときには、長時間にわたるミーティングに臨み本学科の女子学生たちが手づくりのサンドイッチやスイーツなどを持ち寄るなどして、交流を深めながらプロジェクトを乗り切ってきました。

発表会終了後、BKSの新家雅史社長は、「学生の皆さんの若いエネルギーは、大いに社内の刺激になりました。基盤となる事業の大幅な改善に寄与してくれた今回の成果を、これからますます重要になる作業時間の短縮や労働の効率化に生かし、新たな事業の策定につなげていきたいと思います」と講評しました。

本学科のチームリーダーを務めた鎌倉楓さん(3年次生)は、「他大学の学生と協力し互いの得意分野を生かしながら共通の課題に取り組んだのは貴重な経験です。東海大チームは皆、個性的でしっかりした意見を持っていて、リーダーとしてとても頼もしく感じました。長期間にわたり企業の方々と向きあうことで学んだ多くのことを、これから就職活動で生かしたい」と抱負を語っています。

運営委員としてプロジェクトを牽引してきた田畑准教授は、「この取り組みはこれからの社会で活躍できる人材育成を目指すトレーニングでもあります。長期にわたり企業課題の解決に取り組む体験は、学生たちにとって貴重なインターンシップ経験となり、間もなく本格化する就職活動にも自信を持って力を発揮してくれると期待しています。今後も、さらに多くの学生や大学に参加を呼びかけたいと思います」と話しています。

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