神奈川県との共同事業の一環で平塚商業高等学校において防災ワークショップを行いました

情報理工学部情報科学科の内田理教授の研究グループが、神奈川県との共同事業として実施している「ICT活用型防災教育プログラム作成事業」の取り組みの一環で、11月1日に神奈川県立平塚商業高等学校において防災ワークショップを行いました。この事業は、神奈川県の「平成28年度大学発・政策提案制度」に採択された提案内容に基づくもので、平成29年度から2年間の活動を予定しています。ICT活用型若年層向け防災教育プログラム「かながわ防災教育プログラム 2018(仮称)」の策定を目標としており、平成29年度は内田教授のグループが開発した災害情報共有アプリケーションDITS (Disaster Information Tweeting System) ※を活用したワークショップを神奈川県内の中学校・高校、合計5校で実施する計画です。今回はその第1回としての実施となりました。

ワークショップには内田教授をはじめ、工学部土木工学科の梶田佳孝教授、現代教養センターの田島祥講師、情報通信学部通信ネットワーク工学科の宇津圭祐講師、大学院工学研究科電気電子専攻と工学部土木工学科の学生も参加しました。冒頭、内田教授が災害時のICT活用についての講義を行った後、40名の生徒が10班に分かれて学校周辺でまち歩きを実施。各地の標高や防災倉庫、崩れやすい壁など災害や防災の観点で注目すべき対象を発見した際には、タブレット端末からDITSを使って写真とともに投稿してもらいました。学校に戻った後は、班ごとに投稿内容を振り返りながら防災について議論し、さらにTwitterなどのソーシャルメディアを災害時に利用する際の注意点などについて話し合い、各班の投稿内容を内田教授がスクリーンに映してポイントを解説しました。

内田教授は、「高校生はタブレット端末を自在に使いこなし、まち歩きのワークはスムーズに実施できました。今回の内容やアンケート結果を検証し、今後のワークショップでは教育的効果をさらに高める工夫を盛り込んでいきたい。将来的には、本学の学生や教職員による防災・災害情報発信などを通して、地域の安心・安全向上にも貢献したい」と話しています。

※DITS
Twitterを活用し災害時に各地の被災状況などをより簡単かつ効果的にできるように開発したアプリケーション。DITSを通してTwitter上に投稿すると、自動的に「♯救助」「♯〇〇市災害」などのハッシュタグとGPSから取得した位置情報が付与されるようになっています。投稿を地図上に表示するアプリ「DIMS (Disaster Information Mapping System)」と連動しており、DITSを経由して投稿された情報のうち、閲覧者の近隣で投稿されたものだけを表示させることが可能です。DITSとDIMSはすでに一部の自治体で市民を交えた防災訓練などに活用されています。

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