教育研究上の目的・人材像

教育方針および教育目標

北欧学科はデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの五カ国からなる「北欧」を教育・研究対象としています。学科の教育カリキュラムは、北欧の言語・文化・社会の三分野の科目群から構成され、言語学習を基礎に据えながら、北欧文化の特質や北欧社会の制度、また、その背景にある精神的基盤や価値観などを学んでいきます。北欧学科はこうした学習を通じ、個人として自立した生き方を構想できるひとを養成していきたいと考えています。

北欧を知り、理解するためには、まず北欧の人々が語ることばを習得する必要があります。それは自らの課題に取り組む上で間接的な情報にのみ依拠するのではなく、自らが見聞した「生」の情報や北欧の人々が記した原典・一次資料にあたることが重要と考えるからです。このため北欧学科では言語教育に重点を置き、デンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語・フィンランド語のうち少なくともひとつを深く学習することを求めていきます。

北欧学科では、上記の言語学習と並行して北欧の文化・社会の具体像を学び、その根幹となる北欧の人々の精神性・価値観のあり様を日本と対比しながら考えていきます。北欧は「人間が人間らしく生きるとはどういうことか、そのために社会はどうあるべきか」を常に自らに問いかけ、その実現のために様々な実験を繰り返してきた社会と言えます。北欧のそうした取り組みは、社会的弱者への支援、社会的公正を重視する福祉政策、男女平等思想に基づく社会制度、持続可能な社会を第一優先とする環境政策、子供の総合的な思考力を鍛え、自立を促す教育政策、小国ながら平和・人権・国際協力面で主導的な役割を果たす外交政策などに端的に示されています。

一方、文化・芸術面では、デンマークの童話作家アンデルセンを筆頭に、児童文学の分野では「長靴下のピッピ」の作品で知られるリンドグレーン(スウェーデン)、ムーミン・シリーズのトーベ・ヤンソン(フィンランド)、演劇の分野では近代演劇の父といわれるイプセン(ノルウェー)、ストリンドベリ(スウェーデン)、音楽の世界ではグリーク(ノルウェー)、シベリウス(フィンランド)、デザインの分野ではヤコブセン(デンマーク)などを生み出しています。また、古典作品ではアイスランドのエッダやサガ、北欧神話、フィンランドの叙事詩「カレワラ」など世界文学のなかでも特異な地位を占める文化遺産を誇っています。

こうした北欧の文化・社会を作り上げているのは、相互の差異を認め合い、社会的責任をもった個人です。北欧学科の歴史・文化・社会系の科目を体系的に履修し、北欧の平等主義・個人主義の精神や多様な価値観の存在を学ぶことで、広い視野と柔軟な発想力を養しないます。また、北欧社会の先進的な取り組みやその理念を学び、現地でそれらを体験・体感することで、自己と社会の関わりを見つめ直し、個人としての自立した生き方を考えていきます。

北欧学科が養成しようとする人材

北欧学科では上記の方針に基づくカリキュラムを通じ、次のような人材を養成することを教育目標としています。

  1. 1.北欧の文化・社会の仕組みや理念を学び、自己とは異なる他者の価値観を受容することで柔軟な思考力をもつ人材
  2. 2.北欧の社会を日本の視点から批判的に考察し、自己と社会の関わり、個人としての自立した生き方を自ら構想できる人材
  3. 3.北欧の言語学習や協定留学制度などを通じて習得した言語能力を生かし、日・北欧間の交流を担いうる人材

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