教育研究上の目的・人材像

教育方針と教育目標

「歴史学的な方法論をきちんと身に付け、それによって客観的かつ正確な判断ができ、自分の意見を的確に伝えられるコミュニケーション能力を持ち、過去に対する正確な知識に基づいて現在そして未来に対応できる」、これが東洋史専攻が育てようとする学生像です。

4年間のキャンパス生活を通して直接学習の対象となるのは、中国を中心とした東アジア世界、そしてかつて東西交渉で栄えた内陸アジアの世界です。これらの地域の歴史は、風土、民族の構成、宗教、生活様式などによって、多種多様な展開を見せてきました。それらを時間軸と空間軸に配置してみると、他の地域とは異なった、まるでモザイクのような多彩で複雑な立体像を見せてくれます。

こうした魅力にあふれた歴史的世界を、わが国の先人達が築いてきた、優れた東洋学の伝統を踏まえ、文献や考古資料など多様な資料を駆使しながら読み解いていくことは、まさに知的好奇心を刺激する新しい経験です。対象をしっかりと見据え、正確に判断するには、必ず何らかの視点あるいは方法論が必要です。東洋史専攻のきめ細かな授業を通じて、的確な史・資料を探し、それらの史・資料を正確に読んで理解し、それに基づいて客観的に判断できる、そのような能力が身につくはずです。それはものを見る確固とした視点となります。さらに、判断したこと、理解したことは、伝えなければなりません。それには、論理的で分かりやすい文章を書く力が求められますし、外国語でコミュニケーションができれば、世界はさらに広がります。

中国を中心とする東アジア世界、またそれに隣接する内陸アジア世界は、歴史的に日本と極めて深い関係を持ってきた地域です。また他の地域と全く没交渉に、一つの国あるいは地域のみで完結した歴史をたどってきた例はありません。歴史を諸文明の交渉、相互関連的展開としてとらえることは、自ずと広い視野で物事を見る姿勢につながります。

多彩で魅力的な中国およびそれに隣接する東アジアや内陸アジア世界の歴史を学ぶことを通して、確かな視点と広い視野を身につける。そして自分の意見を正確に伝えられる文章力と語学力を培うことによってコミュニケーション能力の向上をはかる。これが東洋史専攻のカリキュラムを貫く教育方針です。

本専攻の目標は、具体的には以下の3点にまとめられます。

1.中国を中心とした東アジア世界・内陸アジア世界の歴史を、全時代的かつ多面的に理解する

本専攻は、中国を中心とするアジアの歴史を深く学ぼうとする学生の多様な要求に応えうるカリキュラムを組んでいます。中国古代史から近現代史に至る時代をそれぞれ専門とする教員を揃え、多彩な授業を開き、年間500点以上の日本語・中国語図書を購入し、充実した書籍・史料を用意しています。また、インターネットなど情報機器を使った学習も推進しています。こうした環境の中で、学生諸君は全時代的かつ多面的にこの地域の歴史を深く理解することができます。また、授業およびレポートや卒業論文の作成を通して、史料を深く分析すると共に、現実の社会を注視し、その中の問題点を発見して、歴史的視点から真実を追究し、結論を出す力が養われます。これは卒業後も社会人として、あらゆる方面に役立つ基本的な能力であるということができます。

具体的には、まず「東洋史研究入門1(東洋史入門)」で大学における学習の基礎的トレーニングを行い、「東洋史研究入門2(基礎史料講読)」により古典中国語の読解力を、ついで「東洋史研究入門3A、3B(東洋史研究法演習)」において研究の方法を身につけます。また「東洋史概説」や「東洋古代史」から「東洋近現代史」にいたる各時代史によって歴史を概観し、さらに、「中国政治史A」をはじめとする、政治史・社会史・文化史・交渉史のそれぞれの科目によって歴史の個別テーマを具体的に追究して興味を広げ、「中国政治史演習A」をはじめとする「演習」科目によって史料や資料から歴史像を構築することを経験して、これらを通じて得られた力を、最終的に卒業論文という形で結実させます。

2.中国語やコリア語を習得し、世界を広げ、鋭い時代感覚を養う

本専攻では、必修の区分Ⅲ英語コミュニケーション科目8単位のほかに、学科の特性や授業との関連から区分IV主専攻科目の「中国語」もしくは「コリア語」を選択科目として指定します。

本専攻では、授業を通して中国語やコリア語の能力を高められるようなカリキュラムを組んでいます。具体的には「中国語初級1」「中国語初級2」もしくは「コリア語初級1」「コリア語初級2」を履修して基礎を身につけます。さらに中国語に関しては「実践中国語A」・「実践中国語B」の科目や「中国語資料講読1」・「中国語資料講読2」の科目が用意され、実際に読み、書き、話しのできる語学力を磨き、将来の夢を実現できる能力を養います。なお、「中国語初級1」「中国語初級2」もしくは「コリア語初級1」「コリア語初級2」の履修は、卒業論文の先修条件になります。

こうした語学力を活かし、あるいはさらに磨くために、海外研修や長期・短期の留学を通して、海外で勉学することも可能になります。本学がアジアをはじめとする海外の多くの大学と結んでいる海外派遣留学制度を利用して、実際に海外で学ぶ経験を持つことは、語学力を向上させます。中国との関係が深くなった現在、こうして培われた中国語の能力は実社会での活躍を保証するでしょう。

3.客観的な判断ができる、広い視野を持つ

本専攻のカリキュラムでは、自由選択履修の幅をかなり大きく設け、学生の自発的意志による学習プランを尊重しながら、興味ある分野の学習・研究を積極的に支援します。自専攻の科目にとどまらず、歴史学科他専攻の科目をはじめ、広く他学部・他学科の科目を履修して、学際的興味を広げたり、資格取得に挑戦することを歓迎します。広い視野を持つことは、自専攻の専門に対する見識をより深めるばかりでなく、さらには客観的判断の基礎となり、実社会での活躍のためにも有効な資質となるでしょう。

東洋史専攻が養成しようとする人材

  1. 1.アジアの歴史への深い理解と広い視野を身につけた人材を養成します。
  2. 2.自分の意見を正確に伝えられる文章力を持った人材を養成します。
  3. 3.社会で通用する中国語・コリア語の能力とコミュニケーション能力を持った人材を養成します。

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