教育研究上の目的・人材像

心理・社会学科の教育方針および教育目標

多様な人々が多様な集団、社会を構成し、それらが複雑に関係し影響し合っている現代社会において、構成員である人は、物事を複眼的に把握し、確かな知識・情報を取捨選択し、それを判断材料として状況に応じた的確な行動をとることが求められます。一方、社会全体としては、確立した個々人が有機的な関係を結び、間断なく生ずる社会的問題に対して迅速に対処、解決し、集団、社会を維持、発展させていくことが求められています。すなわち、確かな個人の確立と他者との積極的共存である「自立」と「共生」の実現が求められているのです。このような現代社会を生き抜き、次なる社会へとつなげるための知識と力を身につける、ということが本学科の教育方針です。

人は社会の中で生き、社会は人と人との関係性から成り立っています。現代社会に生きる人々は、様々な〝こころ〟の問題を抱えています。このような問題に対処し、よりよい人間関係を築いていくためには、個人の心理的な側面を理解するのみならず、人々の多様な関係性、人々をとりまく環境としての家族、学校、職場などの集団における関わり、そして地域社会や国、世界との関わりをも理解する必要があります。

本学科では、人や集団、社会、そしてそれらの関係性について蓄積されてきた知識を学ぶと共に、その知識を実生活において活かし、個人として自立したよりよい生活を実現することのできる力を修得し、共生社会の実現に積極的に参画、貢献していく意欲と力を形成することを教育目標とします。

心理・社会学科が養成しようとする人材

本学科では、心理学と社会学という学問領域において蓄積されてきた知識と、科学的な分析方法やコミュニケーションの方法を学ぶことを通して、次の3つの力を培います。

  1. 1.人や集団、社会に関する確かな知識・情報を収集し、多角的、複眼的視点で理解する力
  2. 2.豊かな想像力と感受性を持って考察し、問題を論理的に分析する力
  3. 3.他者との相互コミュニケーションを通して関係性を構築し、共に問題解決を目指す力

これらの力を身につけることによって、家庭や地域社会、職場などの実社会において、人や集団、社会そしてそれらの関係性についての確かな知識・情報を有し、それを基に現代社会の諸問題を多角的視点から分析、考察すると共に、自立と共生を目指した社会の実現に積極的に参画、貢献していく主に次の3つの分野での人材の養成を目指していきます。

  1. 1.臨床心理とカウンセリングの知識や支援の技法を活かした福祉・教育分野
  2. 2.集団や組織における創造的な関係やコミュニケーションを通したヒューマン・サービス分野
  3. 3.現代社会の問題や解決方法を考察し発信することによる情報メディア分野

上述の教育方針、目標に従い、学生個々人がより有効な学びの時を持つことができるように、以下の3つの履修モデルコースを設定しています。

  1. 1.カウンセリングと社会的支援

    家庭、学校、地域社会で生活する人々が抱えている精神的な問題を、心理的、社会的な視点から理解すると共に、こうした人々に対する支援の方法を学びたい学生に適した研究領域です。この領域に関連する科目として、パーソナリティ論、カウンセリング、臨床心理学、学校教育と不適応、犯罪と非行の心理学、コミュニティと社会支援、コミュニティ心理学、心理療法演習1・2などがあります。臨床心理学系のゼミナール1・2・3や卒業研究では、さらに専門的な知識や技能を身に付けます。

  2. 2.対人関係と青少年の発達

    家族、友人関係、職場など身近な集団の中で、人々が何を考え、感じ、他者とどう関わっているのか、こうした集団の中で青少年の精神がどのように発達していくのかなど、集団や対人関係における行動や心理の問題を学びたい学生に適した研究領域です。この領域に関連する科目として、社会心理学概論、発達心理学、学習心理学、家族関係論、人間関係の心理、ジェンダーの心理学、人間関係と自己などがあります。社会心理学系のゼミナール1・2・3や卒業研究では、さらに専門的な知識や技能を身に付けます。

  3. 3.現代人の生活と情報・文化の影響

    急激に変化する現代社会とそこで起きる様々な問題や事件、その中で生活している人々の意識や行動、これらに対するマス・メディアやコンピュータ・ネットワークの影響など、現代社会と情報・文化について学びたい学生に適した研究領域です。この領域に関連する科目として、現代社会とマスメディア、日本社会の変動、政治とマスメディア、地域社会論、現代文化論、社会意識論、現代社会とストレスなどがあります。社会学系のゼミナール1・2・3や卒業研究では、さらに専門的な知識や技能を身に付けます。

これらのコースは、もとより個々独立して存在するわけではなく、各科目が必ずしも1つのコースに振り分けられているものでもありません。冒頭に明示したように、本学科は心理学・社会学双方の学問を基盤としながら現代の社会と人間を複合的に分析する視点を培うことを目的としています。したがって第1・第2セメスターには「心理学概論」「社会学概論」を中心に、心理学・社会学の双方の理論と基本的アプローチを学ぶことが求められます。その上で、学生個々人の関心に応じて、研究の対象と方法の重心をどこにおくかで、履修科目が定まっていくことになります。上記のモデル・コースはあくまでその目安です。

また、本学科の特徴として、トレーニングや実習を重視する少人数クラスの授業を多数設置していることがあげられます。入学直後の第1セメスターには、本学科で学ぶための基本的技法の習得をめざす、少人数クラスの「心理・社会学基礎ゼミ1」という科目が設定されています。ここでまず、心理・社会学科の学生として学ぶべきことのアウトラインと学びの方法を、徹底して習得してもらいます。さらにその後、専門の講義科目と並行して「質問紙調査演習」「インタビュー調査演習」「心理療法演習」「心理・社会学研究」「ゼミナール」などの少人数クラスが設けられています。ここでは、学生間および学生と教員間の共同作業を通して相互に刺激しあいながら、専門的知識を深め、研究方法を体得すると共に、成果をまとめるという作業を行っていきます。また、「専門英語」「文章表現法」など、より効果的な情報収集・伝達・表現技法を習得するための科目も設定されています。

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