第20回「21世紀保健指導者養成コース」を実施しました

2015年度21世紀保健指導者養成コース(グローバル保健医療政策担当者のための能力育成強化)を、9月6日から10月9日まで、本学の伊勢原キャンパスやJICA横浜国際センター(神奈川県横浜市)などで実施しました。これは、世界保健機構(WHO)と連携協力して、WHO加盟国の保健医療の中核を担うスタッフを育成することを目的に1996年から毎年実施している研修です。2001年よりJICA(独立行政法人国際協力機構)の支援も受け、今回はガボン、ギニアビサウ、インド、ラオス、ミャンマー、スワジランド、ジンバブエの7カ国から保健医療を担当している政府高官ら11名が参加しました。

期間中は、5週間にわたり講義やワークショップを実施。広島で原爆ドームや平和資料館、赤十字原爆病院を見学し、神戸と京都ではWHOの関係施設や薬品会社を視察する研修旅行も実施しました。また、聖路加国際病院院長、フランス大使館科学技術部担当公使、コンゴ民主共和国保健省学校保健部チーフ、ベトナム保健省健康戦略政策研究所所長ら、多彩な講師陣が保健医療をめぐる幅広い分野について講義を実施。さらに、松前国際友好財団の内田裕久理事長(工学部教授)が人間の安全保障とエネルギー問題をテーマに、吉川直人学長補佐(グローバル推進担当・教養学部教授)が食糧の観点から人間の安全保障について講義し、医学部の宮地勇人教授が医学部付属病院の施設を案内するとともに検査部門・院内感染対策に関して講義しました。

最終日の評価会では一人ひとりが成果や感想を発表。駐日ジンバブエ臨時大使を迎えての閉講式が行われ、参加者が討議を繰り返してまとめた宣言文に研修生全員が署名しました。来賓の祝辞の後、研修生を代表してミャンマー保健省次官副室長のタン・シン・トゥー氏が登壇。最初はぎこちなかった研修生同士が研修旅行を通して打ち解け、互いに切磋琢磨しながら団結して学びを深めていった様子を振り返り、感謝のあいさつをしました。隣室に会場を移しての懇親会では、内田理事長がスライドで松前国際友好財団を紹介。乾杯の音頭に続き、和やかに歓談を楽しみました。

今回の研修では、9月8日から11日までのプログラムに医学部の1年次生が個別体験学習として参加。研修生とのディスカッションに加わり、「2050年の世界」をテーマに自分の考えを発表したほか、医学部付属病院救命救急演習見学などではアシスタントを務めました。また、観光学部の学生もアトラクション施設の見学のアテンドなどにあたりました。学生からは、「学外での学びも大切だと実感しました。医学を学ぶ学生として持つべき国際的な視野について気付きを得ました」「アフリカからの参加者が多く、そのパワーに刺激を受けました。ディスカッションや発表を通して自信を得ることができました」などの感想が聞かれました。

運営事務局を担当する木ノ上高章准教授は、「学生にとっても貴重な学びのチャンスが得られたことと思います。このプログラムは、国の規模や参加者の職種・背景もさまざまな中で、最大公約数が必要とされつつもチャレンジングなことを考えて構成しています。これまでの修了生からは各国で行政の中心を担う人々が出ています。これらの人財を通じて東海大学が世界の各国との結びつきをますます強固にしていくことが期待されます。今回で20回目を迎えることができたのは各方面のご協力・ご支援の賜物です。この事業がさらに本学の国際貢献のひとつとして発展することを願っています」と話しています。

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