ひらめき☆ときめきサインエンス「かたちと運動の遺伝子をみてみよう! 運動器(骨格系・筋神経系)の突然変異体の観察」を開催しました

8月2日に伊勢原キャンパスで、中学生を対象とした講座「かたちと運動の遺伝子をみてみよう! 運動器(骨格系・筋神経系)の突然変異体の観察」を初めて開催しました。この講座は、独立行政法人日本学術振興会のプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」の一環として実施したものです。科研費(科学研究費補助金)による最先端の研究の興味深さや面白さをわかりやすく発信し、科学的好奇心を刺激して知的創造性を育んでもらうことを目的としています。当日は、神奈川県のほか関東近県から中学生13名と保護者が参加。医学部基礎医学系分子生命科学分野に所属する教員や学生、大学院生らが説明や指導を担当し、さまざまな実験や観察を行いました。

はじめに阿部幸一郎准教授が本講座の趣旨と科研費の概要について説明し、「実験や観察を楽しみながら、科学への理解や興味を深めてください」とあいさつしました。前半は椎名隆准教授が講師を務め、「DNAを見てみよう」と題した実験を実施。DNAについて学習した後、各自が口腔内の粘膜細胞からDNAを抽出して持ち帰り用のペンダントに納めました。「ホネホネ探検隊」では阿部准教授が動物や人の骨格について説明。生徒たちは正常なマウスと突然変異を起こしたマウスの骨格標本をルーペで観察し、骨の数や構造の違いを確かめながらスケッチしました。

後半は、医学部の研究室と生命科学統合支援センターを見学。教員の案内でDNA実験室やRNA実験室、電子顕微鏡室などを巡り、最先端の分析機器や検査機器について学びました。最後に秦野伸二教授の研究室で筋肉と神経に関する講義を行った後、「筋神経系の突然変異体」の観察実習に取り組み、大友麻子助教や学生の指導を受けながら、スライスしたマウスの脳を染色して顕微鏡で観察しました。各プログラムの終了後に行ったディスカッションタイムでは、生徒たちからさまざまな質問が寄せられ、講師が丁寧に答えていました。

修了式では生徒たちが、「DNAが想像以上に長いことを知り、びっくりしました」「骨格標本はとてもきれいで神秘的でした」「知らなかったことをたくさん学ぶことができました。参加してよかった」などと感想を発表。最後に秦野教授が、一人ひとりに「未来博士号」を授与しました。

保護者からは、「大学の研究施設で先生から直接指導を受けながら実験や観察ができる貴重な機会。ぜひ今後も実施してほしい」「先生方が楽しくわかりやすく説明してくださったので、子どもが生き生きと参加していました。今後は、親子で科学について話す機会が増えると思います」などの感想が聞かれました。本イベントの代表を務めた阿部准教授は、「この講座を機に、子どもたちが生命科学に興味をもってくれたらうれしい。これからも世代を超えて多くの人に、生命の不思議を伝えられるよう活動していきたいと思います」と話していました。

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