医学部によるハワイ大学医学部との教育連携に関する記者説明会を開催しました

医学部では、10月19日に東京・霞が関の東海大学校友会館で、「ハワイ大学医学部との教育連携に関する記者説明会」を開催しました。医学部では今年8月に、ハワイ大医学部と「医学教育連携に関する覚書」を締結。これに基づき、2016年度から本学医学部のカリキュラムに「ハワイ医学教育プログラム」(HMEP=Hawaii Medical Education Program)を導入し、日本で初めて本格的な米国式医学教育を実践する医学教育機関となります。

2010年9月に米国の認証機関「ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)」が「2023年度以降は国際認証を受けている医科大学・医学部の卒業生以外は米国医師免許受験の証明書を発行しない」と発表しています。こうした状況を受け、医学部を有する日本国内の各大学で医学教育の国際基準への適合やグローバルスタンダードを意識した教育内容の転換が進められており、今回の教育連携はこのような状況を背景としています。

2016年度から導入されるHMEPでは、米国で臨床研修経験を持つ医師が講師として本学医学部に派遣され、1~3年次生を対象に医学英語などの授業を日英両語で開講。さらにその授業を受講した学生の中から10~20名程度の4年次生を選抜し、本学内で実施する基礎臨床実習として認定されるハワイ大学医学部における臨床実習準備教育プログラム(HCCPP=Hawaii Clinical Clerkship Preparation Program)を2カ月程度受講します。さらにHCCPP修了者はハワイ大学医学部が準備・提携する日本国内で米国式臨床研修を実施している病院において米国式臨床実習を行います。なお、本学医学部生がハワイ大学医学部でHCCPPに臨む際には、特別な学費は必要なく、ハワイ東海インターナショナルカレッジ(別法人)の学生寮を活用するなど、参加者は渡航費用や滞在費など最小限の負担で最先端の米国式医学教育を実際の現場で学べるように計画しています。さらにHMEP受講学生は4年次終了時点で米国医師国家試験(USMLE=United States Medical Licensing Examination)のStep1を、6年次終了後には、日本の医師国家試験とともにUSMLE Step2を受験できるレベルにしたいと考えています。

記者説明会には、新聞・雑誌など各媒体の記者をはじめ医療ジャーナリストら約20名が出席。本学医学部の今井裕学部長とハワイ大学医学部教授で国際医学医療オフィス部長補佐の町淳二氏が登壇しました。今井学部長は、日本の医学教育における国際化の必要性や本学部がこれまで取り組んできた海外医学教育機関との連携、HMEPの概要について紹介。また、町氏が米国における医師養成の現状やHMEPの特徴、今後の両大学の連携への期待などについて語り、続いて行った質疑応答では、日本の大学における医学教育の国際標準化に向けた課題や、HMEPの詳細などについて多数の質問が寄せられました。今井学部長は、「この教育プログラムは、米国ECFMGの認定用件を満たすロールモデルとなり、世界の医学教育や医療のリーダーとして国際的に活躍できる医師の養成に取り組むことで、日本の医学教育や国際標準化への貢献が可能となります。社会全体がグローバル化する中、医学部もそれに沿った改革が必要です。医学部生の皆さんには、“将来どのような医師になりたいのか”自ら考え、設定してもらいたい。その中で、世界で活躍する医師を目指す学生は、ぜひHEMPにチャレンジしてください」と話しています。

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