「第9回 学校保健体育授業研修会」を開催しました

体育学部の教員で組織する学校保健体育授業研究会では3月12日に湘南キャンパスで、「第9回学校保健体育授業研修会」を開催しました。小・中・高校や特別支援学校の教員、本学の学生らを対象として、保健体育に関する最新の情報を発信する機会として、毎年開催しているものです。当日は本学部の学生と大学院生、約40名も運営に参加しました。

120人以上が出席した研修会では、午前中にスポーツ庁政策課の森良一教科調査官が、「スポーツ・教育政策の改革とこれからの学校保健」をテーマに講演。続いて、宇都宮大学と新潟医療福祉大学の和唐正勝名誉教授が、「わかりやすい!保健学習の授業づくり」について講義しました。午後は筑波大学大学院の菊幸一教授が登壇し、「スポーツの根底にあるものは、“楽しむ”という気持ち。運動能力の向上や健康促進を目指すことも大切だが、運動の魅力を伝える取り組みを保健体育の授業内で行ってほしい」と話しました。

その後総合体育館へと移動し、体育学科の大越正大准教授が「心から楽しい!と思わせる体つくり運動の実践」と題した講義を実施。「保健体育の授業を受ける子どもたちは、“心と体が一致していない”といわれています」と話し、「例えば、国語や数学のように定期テストなどで成績が判定される科目は点数が良くても悪くても、その結果は教員にしか分かりません。しかし、保健体育はほかの生徒の前で実技試験を行うことが多く、『できなくて恥ずかしい』、『失敗したくない』といった感情が芽生えやすい。心が萎縮しているのに、体を動かさなければいけない。この不一致を改善するためには、安心して活動や失敗できる場をつくってあげる必要があります」と話しました。続いて参加者を生徒に模した模擬授業を実践。2~10名のグループに分かれ、投げ上げたボールを全員で協力してキャッチをしたり、全員で繋いだ手を協力してほどいたりといった、さまざまなコミュニケーション運動を通して、体と心の気づきや調整、仲間との交流を図る方法を実践しました。

閉校式では、本学部長で学校保健体育授業研究会の今村修会長が、「第一線で活躍する素晴らしい講師陣のもと、参加者の皆さんにとっても実りある研修会になったと思います。それぞれが指導される環境で少しでも生かしてもらえたらうれしい」とあいさつ。大越准教授は、「この研修会は多くの先生方が日ごろ指導している中で感じている疑問や課題を解決するためのヒントを見つける場所。来年で10回目を迎えますが、先生方のニーズに耳を傾けてさらに内容のある会にしていきたい」と話していました。

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