水泳部の茨選手が国際競技大会優秀者表彰を受賞しました

大学院体育学研究科1年次生で水泳部に所属する茨隆太郎選手がこのほど、文部科学省・スポーツ庁による「国際競技大会優秀者表彰」に選ばれ、6月28日に東京都港区の「八芳園」で行われた「スポーツ功労者顕彰及び国際競技大会優秀者等の大臣顕彰・表彰」の表彰式に出席しました。文部科学省が2015年度のスポーツ国際大会で活躍した選手・指導者・審判員・団体を表彰するものです。茨選手は、昨年8月の世界ろう者水泳選手権大会で銀メダル3つ(200m・400m個人メドレー、50m背泳ぎ)、銅メダル2つ(200m自由形、50mバタフライ)を獲得したことが評価されました。ろう者(聴覚障害)のスポーツに関する所管が2015年に厚生労働省から文部科学省に移ったため、今回初めて表彰の対象となりました。受賞について、「これまでにも国際大会で結果を残して表彰されるということはありましたが、オリンピックに出場する選手たちと一緒に表彰されたのは初めて。私たちのスポーツに対する評価が高まってきたということのあらわれであり、とてもよいことだと思います」と話しています。

3歳から水泳をはじめた茨選手は、「体を強くするために親が水泳教室に通わせてくれたのがきっかけでした。小学校4年生のときに大会で結果を残し、本格的に競技に取り組むようになりました」と振り返ります。東京都立中央ろう学校4年時(高校1年生に相当)には、4年に1度開催される聴覚障がい者のためのオリンピックである夏季デフリンピック競技大会台北男子200m背泳ぎで金メダルを獲得するなど活躍してきました。「東海大学には、授業中に先生の話した内容をパソコンに入力してくれるノートテイカーの制度が整っていることと、水泳部でもっと強くなりたいと考え進学を決めました」と話します。大学進学後は水泳部に所属し、背泳ぎから個人メドレーに転向。体育学部2年次生で出場した夏季デフリンピック競技大会ソフィアでは同大会史上最多となる5つのメダルを獲得しました。「高校まではろう学校に通っていたので、大学に入った最初の1年は周りとのコミュニケーションがうまくとれず苦労しました。いま、こうして大学院までここで学べているのは周りの友達が支えてくれたからです」と感謝の思いを語っています。

「大学院では、誰もが楽しめるスポーツ(アダプテッド・スポーツ)の開発に取り組んでいます。障がい者スポーツの知名度向上が今後の一番の目標です」と茨選手。そのためにも、「来年のデフリンピックで活躍して、大会のことをもっと多くの人に知ってもらうことが自分の使命。今回の受賞も大きな一歩になったと思うので、さらに上を目指して頑張っていきたい」と意気込んでいます。

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