教員免許取得を目指す学生を対象にした集中講義「数学科教育法特論」を実施しました

理学部数学科では2月15日から21日までの5日間、教員免許取得を目指す3年次生を対象にした集中講義「数学科教育法特論」を実施しました。本学科では、数学についての高い理解をバックボーンに、中学や高校の数学をわかりやすくかつ正確に教えられる人材を育成するため、学生へのサポート体制充実に力を入れています。本講義は、各教育機関での実習や採用試験が本格化する4年次生を前に、学生自身が自らのスキルを客観的に評価できる力を身につける機会として実施しているものです。今年度は15名が受講しました。

学生たちは本学科の教員とボランティアとして参加した4年次生を前に、毎日模擬授業を行い、連続して授業を行う経験を通して教育実習に向けて意識を高めました。前半では事前に授業計画を立てたうえで10分程度の授業に臨み、よかった点や改善点について互いに議論し、その結果を踏まえて後半には40分から50分の模擬授業にも挑みました。最終日には全員から推薦を受けた学生の代表が講義し、授業の構成や進め方、生徒の様子を見ながら授業を進めることの重要性などについて教員からコメントをもらっていました。さらに各授業終了後にも4年次生に熱心にアドバイスを受けていました。

そのほかにも、教員採用試験の模擬面接を体験したほか、小論文や自己PRの作成方法を学び、採用試験を受けるにあたって必要なスキルを磨きました。また、数学史が専門の平野葉一教授(文学部ヨーロッパ文明学科)から、数学の歴史を踏まえ多角的に考えることの重要性についての講義も授講しました。

授業を担当した笹木集夢准教授は、「よい数学教員には、高度な知識を持ち、自分の授業法を客観的に評価して常に改善できる能力が重要である一方、生徒の目線で授業を計画し実施する意識も重要です。この授業では、短期間で集中的にこれら2つの力を融合させる力や、考え方の基礎を身に付けてもらうことを重視しています」とコメント。昨年度にこの授業を受講し、ボランティアとした参加した4年次生たちは、「この授業を受けたことで教職に対する考えの甘さを痛感し、受講後は現場で活躍し、信頼される教員になれるよう必死に勉強しなければという気持ちに切り替わりました」「先生方にその場で直接コメントをもらい、短期間で改善策を考える中で、正しい教師像や教授法について考える基本的な姿勢が身についたのが大きな収穫だった」と話しています。また今年度の受講生からは、「大学で学んでいる数学がなければ中高生向けにもよい授業ができないことを実感しました。教員採用試験対策の知識について5日間で集中的に学べたのがよかった」といった感想が聞かれました。

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