「第9回東海大学丹沢湘南観光交流フォーラム」を開催しました

観光学部では、2月19日に神奈川県秦野市のタウンニュースホールで「第9回東海大学丹沢湘南観光交流フォーラム」を開催しました。このフォーラムは湘南キャンパス周辺に位置する平塚市、秦野市、伊勢原市、厚木市、大磯町、二宮町、中井町などを含む丹沢湘南地域での観光交流や、魅力ある地域づくりについて考えるとともに意見を交換することを目的としています。今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催後も含めた将来の地域観光のあり方を考えるため、「将来の丹沢湘南地域の観光を考える」をテーマに実施しました。

学科主任の立原繁教授が開会のあいさつを述べた後、多数の観光振興施策の立案や参議院議員として観光立国推進基本法の立案にも携わった藤本祐司教授が、「我が国を取り巻く観光の動向と地域の課題」をテーマに基調講演を行いました。藤本教授は、過去のオリンピックでは開催後に観光客の増加傾向が見られること、訪日外客数の増加はその国や地域の経済成長に大きく依存し、円安や査証の条件緩和は増加要因の一部でしかないことなどを指摘。また、「インバウンド顧客の宿泊者数は前年より多いものの、旅行消費額は減少しています。経済顧客へと結びつけるサービスを考えていくことが重要です」と訴えかけました。

続いて、栗原剛講師が話題提供として「東京近郊観光地のインバウンド観光プロモーション戦略」をテーマに、昨年10月に学生有志とともに実施した外国人観光客を対象とした東京・高尾山での面接アンケート調査データの分析結果を発表。高尾山へ来訪した理由の調査結果から、日本人や在留外国人の知り合いから観光地の情報を得ているケースが多いと説明し、「丹沢湘南地域の観光プロモーション方法として、日本人や在留外国人へ向けたPRが効果的である」と語りました。また、パネルディスカッションでは屋代雅充教授がコーディネーターを務め、藤本教授、栗原講師のほか、一般社団法人伊勢原市観光協会会長・大山阿夫利神社宮司の目黒仁氏、大山観光電鉄株式会社総務課長・事業課長の古住博氏、秦野市都市部参事兼公共交通推進課長・地域公共交通マイスターの保坂富士雄氏、一般社団法人平塚市観光協会事務局長の勝村孝造氏が登壇。「丹沢湘南地域における今後の観光の方向」について各地域での取り組みの紹介とともにさまざまな意見が交わされ、今後広域での連携を一層強化し、二次交通充実のための社会実験なども必要であることが確認されました。

最後に、松本亮三教授が閉会のあいさつに立ち、「外国人観光客の増加でインバウンドに目が行きがちですが、国内の観光客にも目を向けて観光消費額を上げ、地域に利益をもたらすとともに、国内の観光客が外国人観光客を誘致する流れをつくるようにしていきたい」と語りました。なお、フォーラム終了後には交流会も行われ、参加者が観光を通じた地域活性化について意見を交わす姿が見られました。

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