第Ⅰ期中期目標

建学の理念

創立者松前重義は、青年時代に「人生いかに生きるべきか」について思い悩み、内村鑑三の研究会を訪ね、その思想に深く感銘を受けるようになりました。特にデンマークの教育による国づくりの歴史に啓発され、生涯を教育に捧げようと決意して「望星学塾」を開設しました。ここに東海大学の原点があります。
創立者松前はこの「望星学塾」に次の四つの言葉を掲げました。

若き日に 汝の思想を培え 若き日に 汝の体躯を養え 若き日に 汝の智能を磨け 若き日に 汝の希望を星につなげ 松前重義

ここでは、身体を鍛え、知能を磨くと共に、人間、社会、自然、歴史、世界等に対する幅広い視野をもって、一人ひとりが人生の基盤となる思想を培い、人生の意義について共に考えつつ希望の星に向かって生きていこうと語りかけています。
本学園は、このような創立者の精神を受け継ぎ、明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材を育てることにより、「調和のとれた文明社会を建設する」という理想を高く掲げ、歩み続けていきます。

I.東海大学のミッション

本学は、建学の理念のもと、「教育」「研究」「社会貢献」「国際貢献」の四つの柱で、新たな社会的価値を創造していくことを使命とします。
そのために、先駆的な教育・研究を通じて、国際的な視野を持って複雑な課題にも協力しあいながら果敢に挑戦し、問題解決していくことのできる人材を育成し、国内外を問わず広く社会に貢献する大学を目指します。

II.中期目標の期間

2009年4月1日より、2014年3月31日までとする。

III.7つの重点項目~今後5年間、本学が取り組むべき喫緊の課題~

(1) 建学の理念に基づいた組織的教育の推進
本学が目指す姿と育てたい学生像を明確にし、本学における教育の結果、何が身についたか、というディプロマポリシーに掲げたアウトカムの視点から、カリキュラムを不断に点検し、卒業生の質を保証する。
(2) 研究活動の重点化
新たな社会的価値の創造のため、研究の重点化を図り、戦略的な研究分野を確立する。
(3) 組織の機能分担
法人本部と東海大学の機能分担を明確にし、財務状況との関係を踏まえた中期計画策定プロセスを見直す。
(4) 組織の見直し
学生確保が見込めない教育組織(定員の5割を3年連続確保できない教育組織)については、第二期、三期教育改革と合わせ、その組織構成を見直す。
(5) 財務構造
財務構造は、大学の諸活動を推進するための根幹である。収支バランスをとることはもちろんのこと、学園と大学の財務基盤を明確にし、将来に向かって戦略的教育投資が円滑に出来る体制を構築する。また、基本目標に合致しない施策(事業)の実施経費は原則認めない。
(6) 学生募集
アドミッションポリシーを明確にし、学生募集活動を展開する。また「教育に強い東海大学」というブランドを確立し、これにより学生募集活動を展開する。
(7) 自己点検評価体制の確立
学内の諸活動全てに、状況分析も含め、計画、実行、点検・評価というPDCAサイクルを適用し、改善につながるシステムを確立する。また、このPDCAサイクルで実行する取り組み全ての進捗管理が出来るシステムも同時に構築する。

IV.中期目標(2009年度~2013年度)

1.基本目標

(1)教育の目標

「教育に強い東海大学」というブランド確立を目指す。

養成する人材像
  1. 学士課程
    建学の理念に基づき、自ら考え、集い、挑み、成し遂げる力を持った人材を育成する。
  2. 修士課程・博士課程前期
    建学の理念に基づき、国際的な視野を持って、知の創造と承継と実践を目指し、複雑な課題にも果敢に挑戦し、問題解決することができる高度職業人を養成する。
  3. 博士課程後期
    建学の理念に基づき、国際的な視野を持って、知の創造と承継と実践を通じて、複雑な課題にも果敢に挑戦し、問題解決することができる研究者および高度専門職業人を養成する。
  4. 専門職学位課程
    建学の理念に基づき、幅広くかつ深い学識を修得し、高度専門職としての職務を十分に遂行できる責任感と倫理観を兼ね備えた人材を養成する。
(2)学生の受入れ・志願者確保・定員充足の目標
  1. 学士課程
    建学の理念を理解すると共にそれに共鳴し、学力のみに捉われず、多様な資質をもった人材を受け入れ、かつ定員を確保する。
  2. 修士課程・博士課程前期
    建学の理念を理解すると共にそれに共鳴し、専門性を追求する意欲を持った学生を受け入れ、かつ定員を確保する。
  3. 博士課程後期
    建学の理念を理解すると共にそれに共鳴し、修士・博士前期課程における専門的な学力と研究に対する基礎的な能力を持った学生を受け入れ、かつ定員を確保する。
  4. 専門職学位課程
    建学の理念を理解すると共にそれに共鳴し、高度専門職業人として専門性を追求する意欲をもった人材を受け入れ、かつ定員を確保する。
  5. 多様な人材を受け入れるために、科目等履修生としての社会人と、留学生をより積極的に受け入れる。
(3)研究の目標

既存の学問分野に囚われず、新たな社会的価値を創造する研究を重点化し、戦略的な研究分野を確立する。また、各キャンパスにおいて、地域に立脚した研究を推進する。

(4)管理運営の目標

法人本部と共に、教育、研究および管理系組織、教職員の適正配置、キャンパスの環境整備について不断に点検評価し、改善してゆく。

教育組織・事務組織
  1. 組織の見直し
    大学のミッション実現のため、社会や学生の要請に対応したより良い教育・研究体制を再構築する。
    大学の教育・研究・社会貢献・国際活動を推進・補助できる効率的な事務組織を目指す。
  2. 教職員の適正配置
    組織の見直しに応じ、財務状況を踏まえた教職員の適正配置を検討する。また財務状況を踏まえた適正配置を可能にするための採用方法と、現有職員の能力開発についての方策を検討する。
  3. キャンパスの環境整備(施設・設備計画)
    施設・設備については、優先順位を設け、財務状況を考慮しながら、計画的に維持・改修を行う。(厳しい財務状況から、緊急を要するもの若しくは原資の確保されているもの以外の施設設備投資は、当面の間見送る)
  4. 大学の意思決定
    ミッションを実現させるための意思決定プロセスを透明化・可視化する。
(5)財務の目標

2010年を目処とする類似学部・学科の統合のみならず、各学部・学科・学校の学生数と人件費のバランス等を含め改廃も考慮に入れた総合的な見直しを早急に実施し、身の丈にあった財務体質を確立し健全経営の実現を目指す。

(6)学生・就職支援の目標

育成する人材像を実現するための正課外におけるプログラムを充実させることにより、キャンパスライフを充実させる。また、キャンパス施設・設備の充実と就職支援を行うことにより、現在の学生(在学生・卒業生)の満足度を向上させる。

(7)国際貢献・社会貢献の目標

国際平和貢献のための国際連携活動を推進するうえで、海外の教育施設の役割を確立する。また同様に国内においても、既存施設を活用した地域社会との連携活動を充実させる。

(8)図書・電子媒体に関する目標

自ら考える力を育むために、学生の主体的な勉学を支援するための最適な環境整備を行う。

(9)情報公開・説明責任に関する目標

情報公開を積極的に進め、社会に対する説明責任を果たすと共に、その透明性を高める。

(10)自己点検評価の目標

大学の点検機能を強化し、改善に繋がる自己点検評価システムを確立する。

2.達成目標

略(詳細は、2009年度教育研究年報に記載)

※ 上記の目標に取り組んだ結果につきましては、毎年自己点検・評価し、教育研究年報として取りまとめておりますので、併せてご参照ください。

以上