東海大学医学部付属病院
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どこにもない研修プログラム
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地域医療研修

プログラムの背景

医師法の一部改正では、従来の研修プログラムが大幅に見直されるとともに、幅広い診療科を研修することが定められていますが、当院は1975年の開院当初よりスーパーローテート方式を採用し、既に30年以上の実績を有しています。

また、昨今医療に求められる水準はいままでよりより一層厳しいものがあり、また一部の診療科では絶対的な医師不足に陥るなど、医療現場を取り巻く環境は日々刻々と変化しています。

そこで、当院では、法改正へ対応しつつ、かつ現在医療に求められているニーズへ対応すべく、そして何よりも今まで以上に「良医」の育成に向けた環境を整えるために、2010年度より研修プログラムを大幅に見直しました。

臨床研修部長 高木 敦司

救急車へ搬送
ジュニアレジデントルーム

東海大学医学部付属病院の特徴

1つには、高度救命救急センターを擁していることです。ドクターヘリを始め、3次救急にも対応し得る高度で大規模な施設が揃っています。これだけ新しく高機能な病院は他には類を見ません。

2つ目の特徴として、東海大学医学部付属病院には、研修医のための立派なレジデントルームがあり、学ぶためのサポート環境が整っています。さらに、労働制と研修制のバランスも考えているので、研修の中でもメリハリがきいており、プライマリケアの会得にも優れているため、総合診療能力の高い医師の育成も可能です。

3つ目は、数年前から取り組んでいる総合内科という体制です。かつて医局講座制だった頃は、当院も診療するところは講座別に分かれていました。例えば、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科。それぞれ、心臓の悪い人は循環器内科に、胃の悪い人は消化器内科で診てもらうことになります。
しかし、高齢化によって、一人の患者が複数の疾患を抱えることが多くなりました。例えば、「わたしは心臓も悪いし、肺も悪い。しかも脳卒中なんだ」というケース。それに対して臓器別の診療をしていると、何科が診療するのかということになります。このような高齢化に伴ない増加している問題に対応するためにも、総合内科体制がとられているのです。
理想は、将来何科に行こうとも、高いレベルで総合的に診療でき、なおかつ専門の科の専門性があること。世間のニーズもそこにあります。しかし専門に特化している、いわゆる「専門医」が多いのが現状です。この問題に対応するため、東海大学医学部付属病院では総合内科を続けてきました。
しかも当院には、総合内科だけでも年間700人程度の入院があり、常時50人くらいの入院患者がいらっしゃいます。これだけ大規模で、入院診療を扱う総合内科は日本全国でも東海 大学医学部付属病院だけ。しかも、日中・夜間・外来すべてやっています。これは、実はプライマリケアの研修に対し、非常に良いバックグラウンドがあるということなのです。

以上から、東海大学医学部付属病院は、プライマリケアも専門診療もできる、非常に恵まれた病院だと考えます。

研修プログラムの具体的内容

研修プログラムは、基本プログラム、産婦人科研修プログラム、小児科研修プログラム、地域医療研修プログラムの4つです。いずれのプログラムも、基本科目として、内科6か月、救命救急科2か月、地域医療1か月(地域医療研修プログラムは2〜3か月)。選択必修科目として、外科、麻酔科、小児科、産婦人科の4科。それ以外は選択科目とした自由度の高いプログラムです。 各プログラムとも、医師としての素養はすべて満たしたカリキュラムとなっています。それぞれに専門性を持ち、なおかつ総合診断力がある医師を育てようというのが目的です。

また、早い段階で選択をいれているのも特徴です。1年目に選択をとることで、実際に自分がどの道に進みたいのか、早く見極められるようになりますし、より将来の志向に合わせた現実的な研修を受けることが可能です。

実際、平成16年に定められた国のガイドラインだと、1年目で内科を回り、まず点滴の入れ方やオーダーの出し方を覚えます。これで6ヵ月が終わってしまって、鑑別診断、治療計画を立てるといった本当の内科の面白さを知らずに終わってしまうのです。当院では、やはり2年目にも経験できるようにするべきとの考えから、最低2ヶ月は内科がとれるようにしました。そのなかでも総合内科をメインにしたのがポイントです。
画像カンファレンスルーム
ICU

MRI
人工呼吸器実習

各コースのポイント

「基本プログラム」では、基本科目、選択必修科目以外に、選択科目期間を他のプログラムより長く9か月とることで、より広い知識技術を得ることができます。
「産婦人科研修プログラム」、「小児科研修プログラム」はそれぞれ昨今深刻な医師不足となっている両科へ優秀な医師を送り出すために創設したものです。両プログラムともそれぞれ産婦人科、小児科の研修期間を長く設定しており、1年次にも2年次にも研修するのがポイントです。さらに、両科の関連性を考慮し、互いの科も研修できるような柔軟な研修プログラムとしています。
「地域医療研修プログラム」は、2〜3か月間市中の協力病院で研修を行います。研修先は、諏訪中央病院(長野県)、美瑛町立病院(北海道)、大船中央病院(神奈川県)など。市民に最も身近な医療を提供している現場を経験することは、研修医の皆さんにとって非常に有意義な経験となります。

また、各プログラムに共通して、総合内科を設けています。総合内科の需要が今後さらに伸びることに加え、将来開業する方が多いことも理由のひとつです。40、 50代になった医師は半数以上、開業しています。そうしたとき、循環器で心臓ばかり診ていたので、癌のことは分かりませんといっても、開業すれば、癌患者、肺炎患者も来院されます。

つまり、開業するには内科のジェネラルな力をつけておかなくてはいけない。現在、勤務医より開業医のほうが志望者は増えています。開業には総合内科の研修が、非常に現実的で有意義なトレーニングになります。

東海大学医学部付属病院固有の研修

将来何科を専攻しても基本となる、超音波診断や人工呼吸器管理は誰でも使えるように指導します。たとえどの専門科に行ったとしても、その素養を身に付けておけるということ。これは実習形式で少人数ずつ研修中に必ず経験できるようにしています。

東海大学医学部付属病院の指導方針及び指導体制

当院は、市中病院並みに患者さんが来院されることから忙しいとはいえ、しっかりとした指導医が数多くいます。一方、市中病院は、医師の数が圧倒的に少ない。そのおかげで、何でもしなければならない。逆に、何でもできるということが挙げられます。数をこなす、要領よくやるといったことに関しては、市中病院のほうに軍配があがるかもしれませんが、医師にとって果たしてそれが本当にいいのでしょうか。はじめから数をこなすだけのトレーニングをしてしまうと、深く考えなくなります。

当院では、研修ではやはり一例一例しっかり考えることが大切だと考えます。患者さんの病態を、指導医とディスカッションし、今どうしたらいいのだろうかと考えるプロセスが必要です。また、市中病院で最初にそういった数をこなす研修を受け、生涯市中病院にいて優秀な専門家になれるかといったら必ずしもそうではありません。自己流に陥る危険性があります。やはり、どこかでしっかり考える経験をもたなければならないのです。

また、東海大学のミッションは「良医を育てる」というもの。良医とは患者さん本位で、なおかつ専門外のことでもしっかり考えて患者さんのために最善を尽くします。そこから様々な人の意見を聞いて、診療していくことが大事なのです。当院では、ここ数年そういうトレーニングを実践しているため、汎用性の高い医師が育っています。たとえ何科に行っても呼吸循環管理ができる、あるいは「この病気は私の担当ではない」と逃げずに、「診てみよう」という姿勢になってきています。

これから研修に参加される学生の方へのメッセージ

当院では、将来的に開業を目指している人や地域医療への従事を希望する人たちを鍛えることが可能です。なおかつ大学病院ですので、今後専門医になるプログラムを回りながら、臨床研究ができる研究者の養成もミッションとなっています。
つまり、患者さんの病態を解析する臨床研究のトレーニングを積める研修です。専門医をとりながら、学位が取れる「臨床研修/大学院」コースもありますので、臨床研究志向の方にも、ぜひ来ていただきたいと思います。
心肺蘇生法実習
超音波実習
血液型判定実習

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