事例6 マテリアル提供 新規トランスジェニック(Tg)マウス作製法の開発

東海大学医学部では、遺伝子機能解析等において頻繁に使用されているトランスジェニック(Tg)マウスの新規作製法(PITT法)を開発しました。従来の手法と比較しメリットも多く、本方法を可能とする種マウス、およびそれを用いて作製したTgマウスの提供依頼も増加しています。

【画像】新規トランスジェニック(Tg)マウス作製法の開発

産学連携のきっかけ

本技術について論文発表、および学会発表を行ったところ、高い評価を受け、国内外の研究者から、研究に使用したいとのお話をいただくこととなりました。

技術のポイント

Tgマウスは遺伝子機能解析に、また疾患モデルマウスとして必須不可欠なツールです。その作製方法は、受精卵に目的遺伝子DNAを顕微注入するものが一般的ですが、この場合、通常は遺伝子の挿入位置や数が制御できないため、系統間あるいは個体間で導入遺伝子の発現にばらつきが出ることが多々ありました。これらの問題点を改善するのが、Cre-loxP部位特異的組換え法を利用して特定のゲノム領域に1コピーの目的遺伝子を導入するというPITT法です。

活用技術の優位性

  1. 1.導入遺伝子発現が安定し、再現性がアップ!

    遺伝子挿入位置やコピー数を制御することが可能になり、Tgマウス系統間あるいは個体間での発現のばらつきが減少したほか、ランダムな遺伝子挿入によって他の遺伝子を壊したりする恐れもなくなりました。

  2. 2.コスト、労力、時間の大幅削減が実現

    従来技術で作製されたTgマウスでは目的遺伝子発現にばらつきがあったため、得られた各Tgマウス系統について期待している遺伝子発現を示しているか調べる必要がありましたが、PITT法で作製されたTgマウスではその必要がなくなり、コスト、労力、時間の削減が可能となりました。

  3. 3.使用するマウス個体数の削減が可能

    本技術では1系統のTgマウスを維持・解析すれば良いため、実験に使用するマウスの個体数を削減することでき、動物愛護の点からも優れています。

  4. 4.組織特異的発現や遺伝子ノックダウンにも応用可能

    PITT法を用いることにより、目的遺伝子が全身で発現するTgマウスだけでなく、組織特異的な発現をするTgマウスの作製も可能です。また、狙った遺伝子の発現を抑制するノックダウンマウスの作製にも成功しています。

本技術は、各研究・教育機関から高い評価を受けており、国内外の研究者への提供を行っています。また、更に優れた種マウス(より汎用性の高いPITT法用のマウス)の開発にも成功しており、これに関しても論文発表、および各研究者への提供を予定しています。

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