事例9 技術移転 直線翼垂直軸型風力発電システムの実用化

東海大学が保有する直線翼垂直軸型風水車・流体発電機などの特許技術をエネルギープロダクト(株)に実施許諾。共同して「直線翼垂直軸型風力発電システム」を開発しました。現在このシステムは同社によって実用化され、システムの設計・製作・販売事業が展開されています。
実機は、湘南校舎17号館屋上にも1台設置されており、実際に風車が回転し、発電している姿を見ることができます。また、この風力発電システムや発電状況について、校舎内のドトールコーヒーショップのエントランスホールで展示と紹介を行っています。

屋上設置型
太陽光発電併設型

産官学連携のきっかけ

エネルギープロダクト(株)は、自社開発による直線翼垂直軸型風車の商品化を進めていましたが、効率的な事業化を目指すために方針転換を行いました。そして長年にわたり研究開発に取り組んできた本学の特許技術のほか、基礎技術に関する技術移転の申入れ、事業を行う企業として、ライセンスを許諾されました。

知財管理(特許化、知財保護)

特許取得:国内2件、外国4件
「直線翼型風水車」「一体型風水車とその製造方法」

技術のポイント

直線翼垂直軸型風車の特徴

  • プロペラ型と同じ揚力型で、風向制御不要の無指向性のため、他のタイプの風力発電システムよりも効率よく発電できます。
  • 無指向性のため、計画通りの年間発電量を提供できます。
  • プロペラ型風車に比べて低騒音・低振動のため、市街地への設置が可能です。発電場所(風車)と電力消費地の距離を近づけることができるため、電機輸送時のロスやコストがかかりません。
  • 風車直径と多段化により、設置環境に応じた任意の形状が選定できます。

活用技術の優位性

  • 空気力学的特性に優れたTWT型翼を採用しています。
  • 翼、発電機、電力変換機等、専用開発品の組み合わせにより、総合発電効率25%以上を実現します。
  • フェールセーフ設計(全ての電気を喪失した場合にもブレーキがかかる)を採用していることなど、小型風車では対応の難しいJISC1400-2(小型風力発電システムの安全基準)に適合しています。

市場への貢献

  • 小型風力発電市場の拡大が期待される一方で、小型風力発電に対する厳しい評価(技術的・経済的)もあり、未だ不安定な状況にはありますが、地球環境に対する危機意識の高揚や国内におけるエネルギー政策の困難に鑑み、市場と共に急速に拡大していくものと期待しています。
  • 自然エネルギーを活用した再生可能エネルギー供給システムであり、注目の集まっている技術分野です。自然風を活用する方式での設置に加え、太陽電池との組み合わせ、船上設置、工場等の排気口(室外機等も含む)付近への設置など、任意の設置方式が選択できるため、風力発電システムの導入を容易にすると期待されます。

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