「産学連携フェア2017」を開催しました

産官学連携センターでは、9月5日に高輪キャンパスで「産学連携フェア2017」を開催しました。企業との共同研究および技術移転に向けた情報を共有し、研究成果の社会還元(産学連携)につなげるきっかけや、学内外の研究開発に携わる方々の交流の場とすることを目的としたものです。

開会にあたり、吉田一也副学長(研究担当)が、「このような形で学内研究の発信ができることを非常にうれしく思います。東海大学は産学連携を原点に研究を進めている大学です」とあいさつ。続いて情報通信学部の濱本和彦学部長が、「情報通信学部は、2008年の設置当初から品川エリアのIT企業とともに、研究のみならず教育も産学連携で取り組んでいこうと立ち上がった学部です。カリキュラムの中には、企業の皆さまと作り上げていく授業もあります。今日は企業の皆さまとの新たな連携の機会としたいと思っています」と語りました。

基調講演会では、はじめに吉田副学長が「東海大学の研究推進と産学連携」をテーマに講演。「多彩な学問分野の研究こそが東海大の特徴」と述べ、本学における研究活動の歴史や、吉田副学長自身が産学連携によって完成させた易解体ねじ「イーカイト」など、大学発ベンチャー企業による社会貢献の先例を紹介。また、学部や研究室の垣根をこえて産業界と「組織」対「組織」の連携を図るために本学が取り組んでいる「Tokai TIARA(Technological Innovative and Revolutionary Action) Program」について解説し、「今後もさまざまな分野の教員同士が協力し合い、より”研究に強い大学”にしていきたい」と意気込みを語りました。続いて、経済産業省産業技術環境局技術振興・大学連携推進課大学連携推進室室長の飯村亜紀子氏が登壇。「本格化する企業と大学の組織的産学連携活動とその課題」をテーマに、新しい技術に対する企業や政府の対応や、産官学共同研究の課題と展望について語りました。最後に、国立研究開発法人産業技術総合研究所の金山敏彦氏が、「TIA:研究機関が連携したイノベーションプラットフォーム」と題し、本学でも取り組みを始めた、組織的な産学連携の先行事例として、筑波大学や複数の研究機関・企業との組織的連携について紹介。金山氏は、データベースや研究機材の共有など組織連携のメリットを紹介し、「TIAの連携事業を、多くの企業が自社を発展させる契機にしてもらいたい」と呼びかけました。

午前・午後の2部構成で行われたポスターセッションでは、約50名の教員がそれぞれの研究あるいは個別の研究室や、独自に組織する研究グループ「研究ユニット」ごとに、60以上の研究テーマと成果を展示。来場した約150名の企業関係者や研究者に研究内容や事業連携の可能性について紹介したほか、他学部の教員とも意見を交わしていました。情報通信学部通信ネットワーク工学科の宇津圭祐講師の研究室に所属し、ポスター発表に参加した西川修史さん(4年次生)は、「普段参加する学会やポスターセッションでの参加者は理系の研究者の方ばかりなので、専門知識を前提としたうえで会話しますが、今回は文系理系問わず企業や研究者の方が集まっているため、普段とは異なる視点の質問が寄せられることもあり新鮮でした。理系の自分には気づかない疑問点もあり、新たな発想に気づく機会となりました」と振り返ります。また、来場者からは、「東海大学が幅広い分野の研究を展開している大学であるとがわかりました。一つの学部内にとどまることなく、ほかの学部や研究室とも連携しているので、研究者や学生たちがより幅広い知見が得られるのではないでしょうか。今後の研究や事業連携にも注目していきたいです」といった感想が聞かれました。

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