環境・エネルギーシステム研究ユニットの研究発表会を開催しました

理学部化学科の冨田恒之准教授が研究代表を務める環境・エネルギーシステム研究ユニットの研究発表会(共催:東海大学総合科学技術研究所)を、3月1日に湘南キャンパスで開催しました。本研究ユニットは、次世代のエネルギー期待の高いペロブスカイト型太陽電池や廃熱を再利用する熱音響機関など新たな創電技術を開発するとともに、無線伝送技術などを組み合わせ、自然・再生可能エネルギーと調和したまちづくりの提案を目指し昨年度から活動しています。研究発表会には企業の担当者や学内外の研究者、学生ら約70名が参加しました。

最初に冨田准教授が、「次世代の太陽光発電技術と熱音響機関・リニア発電を組み合わせた『創エネ』と無線伝送技術による『送エネ』、それらの技術を生かした未来の都市空間を提案していく」と研究ユニットの狙いを説明しました。その後、色素増感太陽電池の作成にインクジェット技術を活用する研究や、ペロブスカイト型太陽電池の作成と性能劣化要因に関する研究成果を学生や研究者が発表。無線電力伝送システムや熱音響機関に装着するリニア発電機、景観に配慮しつつ自然エネルギーや再生可能エネルギーを生かしたまちづくりに関する研究も報告されました。

最後には、ペロブスカイト型太陽電池研究の第一人者で桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力氏による特別講演を実施。宮坂氏は、大学ベンチャーを設立し、国内外の研究者と連携しながら進めてきたこれまでの研究活動に触れつつ、ペロブスカイト型太陽電池の可能性について語りました。

冨田准教授は、「普段は全く違う学会に参加し、意見を交わすことがない研究者や学生たちが一つの会に参加して互いに情報を共有できたことの意義は大きく、さまざまな分野を理解しておくことで各自の研究を進める上でも新しい研究の展開につなげられるのもメリットです。また、エネルギーの研究としてこのような取り組みを行っている例はまれで、この個性的な取り組みを多くの企業からの参加者に知っていただくことができました。今後は企業との共同研究や他大学との協力などにつなげ、学外との連携を強化していきたい」と語っています。

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