ベンツ ヴォルフガング/ベンツ ヴオルフガング

Bentz Wolfgang

教授

学位:
Ph.D

研究内容

陽子や中性子は、三個のクォークからできています。陽子の内部構造を実験的に検証するために、高エネルギーまで加速された電子を陽子に当てて、散乱された電子の方向やエネルギーから陽子内のクォークの空間的な分布、運動量分布やクォークのスピンを測ることができます。同様に、高エネルギーの電子を原子核に当てて散乱を観測すると、原子核内のクォークの運動についての情報を得ることができます。最近の実験で、単独の陽子および中性子内のクォークと原子核内クォークの運動は異なっていることが分かってきました。原子核内のクォークの運動について研究することが本研究室の主な課題である。

 そのために、まず陽子内の三個のクォークの状態を表す「波動関数」を求め、質量など基本的な観測量を再現できるように模型を設定します。それから、陽子内のクォークの分布、スピンなどを計算し、実験との比較を行います。続けて、原子核内の状態を表す「状態方程式」を構成します。それを使って、原子核内のクォークの空間的な分布、運動量分布、スピンなどを計算し、単独の陽子の場合との違いを「媒質効果」として説明します。

最近、アメリカの Virginia 州にある Thomas Jefferson 国立研究所 (Thomas Jefferson National

Accelerator Facility) で単独の陽子と原子核内のクォークの運動を解明するために精密実験が行われています。現在、我々の東海大学のハドロン物理学のグループと Jefferson 研究所の理論グループとの間に共同研究が活発に行われていています。その共同研究で、原子核のスピンの源を解明するための実験を提案し、実験データを予言しました。その具体的な実験計画にも取り組んでいます。

 もう一つの重要な研究課題は、高密度物質の振る舞いについての研究です。中性子星の内部などの環境で、それぞれの陽子と中性子は単独に存在せずに、「クォーク物質」という新しい状態が存在することが予想されています。我々のグループでは、その新しい物質の形成、性質、そして中性子星の内部構造についての研究が行われています。

 2001 年度から現在までに、本研究室で行われている研究が文部科学省の科学研究費(基盤研究C)の援助を受けています。

所属学会

日本物理学会

American Physical Society

入学をお考えの皆様へメッセージ

基礎研究を行うことによって、我々の将来は保証されている。

主な論文・著書

  • 2005 年度から現在までの主な論文は次の通りである:1) “Medium Modifications of Nucleon Electromagnetic Form Factors“. T. Horikawa, W. Bentz, Nuclear Physics A (2005).
  • 2) “Spin-Dependent Structure Functions in Nuclear Matter and the Polarized EMC Effect“. I. Cloet, W. Bentz, A.W. Thomas, Physical Review Letters (2005).
  • 3) “Nucleon Quark Distributions in a Covariant Quark-Diquark Model“. I. Cloet, W. Bentz, A.W. Thomas, Physics Letters (2005).
  • 4) “The Phases of Isospin Asymmetric Matter in the 2-Flavor NJL Model“. S. Lawley, W. Bentz, A.W. Thomas, Physics Letters (2005).
  • 5) “The generalized Parton Distributions of the Nucleon in the NJL Model Based on the Relativistic Faddeev Approach“. H. Mineo, S.-N. Yang, C.-Y. Cheung, W. Bentz, Physical Review C (2005).

メールアドレス

bentz@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp

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