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コミュニケーション能力は、人間が社会の中で生きてゆくためにもっとも必要とされる基礎的な力のひとつである。しかしこの能力は、誰にも備わっているようでいて、それを本当に磨き上げ使いこなしている人間は実際には少ないといえる。
コミュニケーションはまず個人対個人の人間関係から始まるが、国際化した現代社会の中では身の周りにとどまらない広がりを見せる。場合によっては様々な手段を利用して、地球規模での協力関係作りなどが必要となることも決して少なくない。
国際コミュニケーション学科は、幅広いコミュニケーション能力を発揮して、現代社会の中で自分のための活動の場を見つけ、そこで生き抜いてゆける人材を育成することをめざしている。そのために学科がキーワードとしているのが、世界で通用するコミュニケーションの道具としての「英語」と、幅広いコミュニケーション作りの出発点となる「国際理解」である。
学科には、「英語キャリアコース」と「国際理解コース」の2つのコースが置かれている。英語キャリアコースでは、基礎能力を磨き上げることから始めて、実践的な英語運用能力を身につけられるように指導して、単なる英会話のレベルを越えた“使える英語”をめざす。一方の国際理解コースでは、英語に加えて他の言語も重視し、また大学の教室を出て世界や地域の現場で学ぶ科目も適宜配置して、“肌で感じる国際理解”を目標としている。
これら2つのコース分けは、学科のカリキュラム全体の広がりをわかりやすく分類して示していると言える。履修に際して、コースごとに設定されている科目のまとまりを意識してどちらかのコースに重点を置くことは、多くの場合有効な学習方法だと思われる。
ただし、その内容からわかるように、2つのコースは別物ではなく、密接につながり連動していると考えた方がよい。「英語の力に磨きをかけた上で、それを生かす場を世界に求める」ことと、「活躍の舞台を世界の中で見つけ、それに必要となる英語を身につける」ことは、結果的にはどちらも同じ道なのである。
したがって各学生は、どちらかのコースに集中した科目修得にこだわって履修計画を立てる必要はまったくない。むしろ両コースから科目を選んで修得することを、学科としても推奨している。自分の将来像を思い描いて、それに役立つ科目群を柔軟に関係づけて両コースから履修科目を選ぶことが、自己実現につながる道だと考えてほしい。
英語は国際共通語として、現在の国際社会においてなくてはならないものとなっている。その英語を自由に使いこなせるようになることは、社会における活動の場を日本国内だけでなく海外にも広げ、人との出会いの機会を大きく増やすことにつながる。英語キャリアコースは、英語そのものを学習の対象とするのではなく、英語を用いて仕事をする、社会貢献をする、英語圏の大学でさらなる勉強を続けることを目指して英語運用能力を養成することを目標としている。
このような目標を実現するために、英語キャリアコースでは以下の点に重点をおいたカリキュラムが用意されている。
(1)英語の基礎能力の育成
読む、書く、話す、聞くの4技能に焦点をあてた授業と、それらを総合的に運用するコミュニケーションに焦点をあてた授業がバランスよく配置されている。そのことにより単に「習うより慣れよ」とやみくもに英語を使って試行錯誤を繰り返すような英語学習ではなく、英語でコミュニケーションをして自らの英語力の不十分な点を発見し、それらを4技能に焦点をおいた授業で向上させ、さらに英語による総合的なコミュニケーションの授業で適用するというサイクルのもとで基礎能力を向上させていくことができる。
(2)英語がコミュニケーション・ツールとなる実践的活動
英語を道具とした実践的活動として、ビジネスや心理学などの科目を英語で学ぶ、留学生との日常生活の中で英語を使う、そして海外の提携大学への留学や英語を必要とするインターンシップで職業経験を積むという機会を提供している。そこでは英語を学習する授業と異なり、英語力がなければ学んだり生活することすらできない、まさに生きるための英語を経験することができる。英語力だけではなく、文化を超えた人と人との交流に柔軟に対処する能力も求められるため、異文化コミュニケーションや外国の文化、社会、生活に関する授業への動機付けにもなる。
(3)資格試験
英語運用能力がどれほど向上したとしても、それを客観的に示す指標がなければ、自らの能力をアピールすることはできない。就職や留学においても英語運用能力の数値が求められる。英語キャリアコースでは、TOEICやTOEFL、そして英語検定試験で高い結果を得ることができるよう支援をしている。また必要な単位を修得することにより、英語の教員免許(中学及び高校)を取得することができる。
(4)留学制度
目的に応じた多様な留学プログラムが用意されている。アメリカでの準学士号の修得が可能なダブル・ディグリー・プログラムは、留学を資格につなげる最も有効なプログラムと言えるだろう。それ以外にも英語運用能力向上として英語圏の国々はもちろんのこと、北欧圏の大学への短期及び中期の留学プログラムもある。北欧圏の大学には、ヨーロッパ各国から学生が集まり、そこでは英語が国際共通語であることを実感することができる。
(5)仕事で使える英語
英語運用能力があっても社会の仕組みやビジネスについての知識がなければ、仕事をしていくことはできない。英語キャリアコースでは、日本やアジアのことを英語で学ぶ科目、またビジネスの場面で使われる英語表現を英語で学ぶ科目を設定している。それらを学ぶことにより、即戦力となる英語力を身につけることができる。
国際理解コースでも、英語の運用能力を高める努力が求められるのは英語キャリアコースと同じである。その上で、国際化した社会の中で活躍できる基礎能力を身につけた人材を育てるために、以下の点に重点を置いたカリキュラムが用意されている。
(1)国際理解に関する科目
ただ漫然と世界に目を向けても、得られるものは少ない。学科の主専攻科目には、国際社会を広く学ぶ科目やテーマと地域を絞った科目が数多く配置されているので、その中から各個人がめざす方向に従って学ぶ対象を絞り込んでゆく必要がある。特に、国際的な視点を失うことなく、同時に地域固有の問題について深く学ぶように心がけることで、双方向からの発想を一体化させて、これらの科目を「国際地域学」として身につけてもらうことがカリキュラムの目標となっている。そのために用意されているのが次のような科目群で、アジア、アメリカ・ヨーロッパ、北欧の各地域について、それぞれ理解を深めてゆくことがめざされている。
| 〈アジア〉 地域の歴史・文化・政治・経済に関する科目、ビジネス中国語検定試験の支援科目など。 |
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〈アメリカ・ヨーロッパ〉 地域の文化・社会に関する科目、国際関係論や平和学、国際協力に関する科目など。 |
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〈北欧〉 地域の歴史・文化・社会に関する科目、環境問題やビジネス、ライフスタイルに関する科目など。 取り組む対象は、ひとつの地域に限定する必要はないが、基礎的な科目から応用的な科目へのつながりや、科目間の内容的な関連性などを考えて、バランスよく履修することが大切である。 |
(2)英語以外の外国語科目
国際地域への理解を深めるために、その地域の言語を修得することが必要となってくるのは当然であろう。学科では、英語以外に中国語・コリア語・ロシア語・ドイツ語・フランス語・スウェーデン語・デンマーク語の7ヶ国語を学ぶことができる。特に、他大学には少ないスウェーデン語とデンマーク語が学べる点は大きな特徴となっているので、北欧に関心のある学生は積極的に取り組んでほしい。
なお、外国語系の科目は、外国語コミュニケーション科目、主専攻科目、自由選択科目の3つの区分に分散して配置されているので、履修申告には注意を要する。
(3)フィールドワークとインターンシップ科目
学部の教育方針のひとつである「座学から実践へ」を実現するために、フィールドワークやインターンシップ科目が置かれている。世界や各地域の“現地”や、企業やNPOの“現場”に実際に立つことで、教室内では学べない大きなものを実感とともに掴み取ることができる。フィールドワークやインターンシップは、セメスターごとに担当教員や内容が変わるので、各自が自分の関心に沿って適切なものを選んで履修するとよい。
(4)留学制度
東海大学には多くの留学先が用意されているので、積極的に活用することを推奨する。英語運用能力を高めるための留学ももちろん有意義だが、英語以外の外国語力を伸ばし、国際理解を深めることもよい。在学中の留学経験によって、社会や自分自身を見る目が変わるということを、多くの学生に実際に体験してほしい。
日本国内においても、また海外においても人と人とのコミュニケーションを大切にし、相手を理解し自分を表現しながら、地域や国際社会に積極的に関わっていくことができる人材が求められている。国際コミュニケーション学科は、単なる外国語の使い手を育てるのではなく、習得した言語を用いて何をするのかを常に考え、自らの仕事や活動の成果を社会に還元していくことができる人間の養成を目標としている。そのために英語キャリアコースと国際理解コースの2コースが設定されていると考えてほしい。
英語やそれ以外の7つの外国語の高い運用能力を身につけ、アジア、北欧諸国、その他のヨーロッパ諸国の文化や社会についての知識とフィールドワークで得た実体験を活かして、国内外で仕事や様々な活動を通して社会に貢献し、文化を超えた人と人との交流を推進する人材を育てていきたいと考えている。
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