高大連携プログラム「星翔シトラス・プロジェクト」を実施しました

農学部と農学教育実習センターでは、昨年12月14日から今年1月11日にかけて付属熊本星翔高校で高大連携プログラム「星翔シトラス・プロジェクト」を実施しました。農学部では2016年の熊本地震発生後から阿蘇実習フィールドでの加工実習が可能になるまでの間、熊本星翔高の家庭科室で実施しており、施設借用への感謝を生徒や教職員に伝えようと今回のプログラムを企画しました。高校生と大学生が協力し、熊本星翔高の校舎裏に植えられた柑橘系の果実を使って、植物の特徴や食品加工の基礎知識を学びながら、世界で一つのマーマレードをつくりました。

プログラムには農学部の学生12名と熊本星翔高サイエンス部、チアリーディング部の生徒10名が参加。12月14日の講座では、果樹園芸学を専門にする安田喜一講師(農学部応用植物科学科)らの指導のもとで果実を収穫し、葉の形や食味などからグレープフルーツなどと同じタンゼロ類(ブンタンとミカンの雑種群)の果実であることを判別しました。1月11日にはマーマレードづくりに挑戦。農学教育実習センターの職員らの指導のもと、皮むきや搾汁、加熱などを丁寧に繰り返し、菌が繁殖しないように手早くビン詰めするとともに生徒が自作したオリジナルシールを貼りつけて完成させました。参加した生徒は、「果実が植えられていることは気づいていましたが、正直食べられるとは思っていませんでした。果実をそのまま食べると強い苦みを感じましたが、加工することで甘く、保存も効くようになるのはとてもおもしろいと感じました」「初めてマーマレードを作りましたが、果実の糖度を測って決められた公式に当てはめると、必要な砂糖の量が割り出せることなど、初めて知る知識にも触れられて、食品加工に興味がでました」と話していました。

今回のプログラムについて本学部の岡本智伸学部長は、「生徒の皆さんには園芸や食について興味を深めてもらうと同時に、高校の敷地内にある果物を収穫、加工するという新鮮な経験を通して、自校への愛着も深まったのではないかと考えています。大学生にとっても同じ熊本キャンパスで学ぶ仲間との共同作業は新鮮だったのではないでしょうか。今回の取り組みをしっかりと今後につなげ、スケールメリットを生かした教育活動の幅を広げていきたい」と語っています。