東海大学公開講座ヒューマンカフェ「鳥の調べ方教えます!~3人の研究者が語る身近な鳥の生態~」を開催しました

札幌キャンパスでは7月20日に、札幌市民交流プラザ SCARTSコートで東海大学公開講座ヒューマンカフェ(道民カレッジ連携講座)「鳥の調べ方教えます!~3人の研究者が語る身近な鳥の生態~」を開催しました。私たちの最も身近に生息するカラスやモズなどの鳥類の魅力を伝えようと開いたもので、当日は、高山帯をフィールドとしてヒバリの調査を続ける立教大学名誉教授の上田恵介氏、小鳥類の生態調査等を進める本学生物学部生物学科の松井晋講師、コムクドリやカラスなどの調査が専門の本学生物学部元准教授の竹中万紀子氏の3名の研究者が、身近な鳥たちの知られざる生態を解説しました。

当日は108名の地域住民らが来場し、まずは松井講師が「野外鳥類学の基礎&繁殖生態」をテーマに講演。「世界には約1万種の鳥類が確認されていますが、日本にはその内676種が生息しています。南北に縦長な地形から北方系、南方系のどちらの種も確認できるのが特徴です」と説明。さらに、バードウォッチングや鳥類学の研究に欠かすことのできないフィールドノートについても解説し、「鳥を観察した際に、いつ、どこで、何を見たかを事細かに記しておくことが大切です。天気や風速も生態を調べるためには重要なデータになります。そのほかにも巣材運びや、親鳥がヒナにエサを与える行動は、その鳥の貴重な繁殖記録になることもあるので、観察した行動をメモするようにしましょう。また、デジタルカメラや双眼鏡もあると、さらに鳥の魅力に触れることができるのでしょう」と話しました。

竹中氏は、「バードウォッチングのその先へ」と題し、カラスやコムクドリなど自身の研究成果を紹介。さらに、「バードウォッチングをさらに楽しむためには、データの積み重ねが有効です。まずは散歩道や自宅の庭など自分の観察フィールドを決め、そこでフィールドノートを書きながら継続的なデータを積み重ねていくと、鳥類の生態に近づくことができます。バードウォッチングが楽しくなるだけでなく、鳥類学の発展に貢献する重要なデータを得ることができるかもしれません」と語りました。
最後に登壇した上田氏は、高山に住むヒバリなどについて写真やスライドを用いて説明し、さまざまな研究者と共同で行っている保護活動についても紹介しました。

講演後の質疑応答では、来場者から「新たな生態を見つけたときにはどのような喜びを感じるのか」「私たちの身近に住むカラスの寿命はどれくらいなのか」「鳥類学者は焼き鳥を食べるのか」など多岐にわたる質問が寄せられ、3人の講師が丁寧に回答していました。

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