キャリア特別講座「新聞で学ぶ経済の動きと仕組み」連携企画「特別公開講座『世界と日本の政治展望』を開催しました

札幌キャンパスの国際交流会館マルチメディアホールで11月8日、特別公開講座「世界と日本の政治展望」を開催しました。日本経済新聞社の協力で開講している本学独自のキャリア特別講座「新聞で学ぶ経済の動きと仕組み」※の連携企画として実施したもので、日本経済新聞社論説主幹の芹川洋一氏が講師を務めました。キャリア特別講座を受講している学生をはじめ、後援会員、日本経済新聞の読者らを対象に一部一般公開とし、当日は教職員も含め約100名が聴講しました。なお、10月26日には熊本キャンパスで同様の講座を開講しています。

政治ジャーナリズムを代表する論客として知られる芹川氏は、はじめに10月22日に投開票が行われた衆議院議員選挙について触れ、与党の勝利や選挙前後の野党の動き、政治家の言動が世論に及ぼした影響などについて、与野党や歴代内閣の変遷を交えて解説。「今回の選挙は歴代最低の投票率だった2014年の52.66%に近い53.68%でした。この低投票率では、自公連立で選挙協力が徹底している分、与党側に有利になります。ただし、投票率の1%はおよそ100万人にあたりますから、『小泉郵政解散』の05年は67.51%、民主党が勝利して政権交代が起きた09年は69.28%という数字を見るに、少しの投票率の変化で社会は大きく変わります。投票は何より大切です」と力説しました。また、今後の政治スケジュールや安倍晋三首相の政権運営から、学生たちが社会に出た際に参考にしてほしい教訓を紹介し、「安倍内閣を支える菅義偉官房長官は情報処理が巧みです。人間関係を築き自分なりの情報網をつくり、それを多角的なチェックに活用しています。社会に出た時に人間関係をいかに構築するか、参考にしてください」と語りかけました。

芹川氏はさらに、ポスト安倍の候補に挙がっている岸田文雄氏や石破茂氏、小泉進次郎氏らのエピソードや取材記者としての視点から見た人物評などを交えながら、国際政治の潮流や週刊誌報道の功罪、新聞、テレビからインターネットまで多様化するメディアの現状など幅広く語り、最後に「メディアによって政治は動きます。さまざまなチャンネルから情報を得て、自ら考えることが必要になります。世界は大きく動いており、一方でグローバル化への反発からナショナリズムの台頭、ポピュリズム(大衆迎合主義)の波が世界を覆ってきています。皆さんもその流れの中に自分がいると認識してください」と強調しました。

参加した学生からは、「いま議論されている憲法改正について、“今の学生世代が社会に出た後にこそ影響する”というお話が印象に残りました。政治について真剣に考えていきたい」「将来は公務員を志望していますが、企業の考え方や経済について知見を深めたくて特別講座を受講しました。今回の講演も含めて進路の参考にしたい」と感想を語っていました。

※キャリア特別講座「新聞で学ぶ経済の動きと仕組み」は、2015年度より本学学生のキャリア教育および就職支援を目的に、湘南キャンパスで始まり、2016年度からは全国6キャンパスをテレビ会議システムでつないで開講。講師には日本経済新聞社のさまざまな部局の社員を配し、新聞・ニュースの読み方や経済指標の理解、ビジネス英語などをテーマに講義を展開しています。

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