ひらめき☆ときめきサイエンス「海の不思議にふれる~望星丸は海の上の実験室~」を開催しました

海洋学部では9月23日に静岡市清水区の巴川河口の岸壁を発着点に、駿河湾内で東海大学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)を用いて、中高生を対象とした「海の不思議にふれる―望星丸は海の上の実験室―」を開催しました。独立行政法人日本学術振興会が募集したプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」(代表者=本学部海洋地球科学科・轡田邦夫教授)の採択を受けて実施したもの。大学で活躍する第一線の研究者やその研究成果を体感することで、科学の面白さを感じ、学術と日常生活とのかかわりについて深く理解してもらうことを目的としています。

当日は、静岡県内をはじめ、神奈川県や京都府など全国各地から約50名の中高生と保護者が参加しました。開講式では、轡田教授がプログラムの概要や安全管理について紹介。その後、望星丸の乗組員と海洋学部航海工学科航海学専攻の練習学生が案内役となり、操舵室や機関室の構造、緊急時の対応などを説明しました。また、甲板では「稚魚ネット」を用いたプランクトンの採取も行いました。午後には、「海の生き物をみる」「海の見え方を調べる」「海の流れのしくみを知る」の3テーマで実習を体験。採取したプランクトンの特性を学ぶ座学や、赤、青、白の円盤を海に沈めてどの色が最後まで見えるかを実験する透明度の観測、表層(海面から約1500m)と深層(約2000m以深)で異なる海流を水槽で再現する実験など、さまざまな参加型プログラムを通して参加者が海への理解を深めました。また、「海水の性質を知る」をテーマにした実習では、「CTD(Conductivity Temperature Depth)」を用いた水温・塩分観測と同時に、異なる深度(1000m、400m、10m)で採取した海水を実際に自分の手や舌で水温や塩分の違いを実感したほか、CTDとともに沈めた発砲スチロール製容器が水深1000mの水圧でどのように変化するかの体験や、海底から採取した泥の観察なども行いました。

修了式では参加者全員に「未来博士号」が授与され、CTD観測と共に採取した海水と塩が贈呈されました。参加者からは、「海の深さによって塩分や水温が変化することを初めて知りました。普段は国語や英語の勉強の方が好きだけど、これからは海や海洋生物についての勉強もしてみたいと思いました」「自分は海洋高校に通っているのですが、CTDなど専門の機械がないとできない大学ならではの調査を体験できたので、今後もこうしたイベントに参加して勉強したい」といった感想が聞かれました。

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