海洋生物学科の中山助教らの研究グループがアズマギンザメ属の1種に標準和名を提唱しました

海洋学部海洋生物学科の中山直英助教の研究グループが、これまで北太平洋からの報告記録がなかった深海魚・アズマギンザメ属(学名:Harriotta)の1種を日本から初めて報告し、新標準和名として「ヨミノツカイ」を提唱しました。アズマギンザメ属はこれまで、日本では「アズマギンザメ」の1種のみ報告されていましたが、同研究グループが南日本(日向灘)から得られた標本を調べたところ、外見的に区別できる2種が含まれていることが明らかになりました。そこで、この2種の学名をあらためて整理するとともに、和名のない状態となった1種「Harriotta raleighana」の新標準和名として「ヨミノツカイ」を提唱しました。この名前は、1500m以深の深海底を優雅に泳ぐ姿に由来しています。

また、中山助教らは、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海探査船が撮影した同2種の映像記録を解析し、2種の生息水深や遊泳行動の違いを明らかにしました。これらの研究成果をまとめた論文が、日本魚類学会の学会誌『Ichthyological Research』オンライン版に、7月10日付で掲載されています。中山助教は、「論文が掲載された学会誌が無事に出版され、安堵しています。今後も研究を続け、日本近海に生息する深海魚の多様性を明らかにしていきたい」と語っています。

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