「アブダビ・ソーラー・チャレンジ」に出場しました

「アブダビ・ソーラー・チャレンジ」に出場しました

チャレンジセンターの「ライトパワープロジェクト」ソーラーカーチーム(湘南キャンパス)と「メカトロマイスター」(熊本キャンパス)の合同チームが、1月15日から19日までアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国で開催されたソーラーカーの国際大会「アブダビ・ソーラー・チャレンジ(ADSC)」に出場しました。このレースは、中東初の大会として開かれたもので、UAEのほか、アメリカやオーストラリア、トルコなどから15チームが出場しました。

本学ではADSCに向けて、国際石油開発帝石グループのジャパン石油開発や経済産業省の支援のもと、アブダビ首長国の石油資源大学(PI)とソーラーカーの共同開発プロジェクトを展開してきました。昨年4月からPIの学生と教員を対象にマシンの開発やチーム運営のノウハウを伝える研修を湘南キャンパスや東レカーボンマジック社で実施したほか、8月からは両プロジェクトの学生たちがUAEに滞在し、PIの学生と協力しながら車体を製作。11月には完成し、PIチームが本学とともに大会参戦を果たしました。

今大会で、本学チームは2011年度型のソーラーカー「Tokai Challenger」で出場。1月5日にUAEに出発した15名の学生たちは、大会直前に変更されたレギュレーションに適合させるべくPIチームのマシンと、本学のマシンの改造を進めました。15日に行われた予選では、PIチームが首位を獲得。本学はトラブルが発生して12位に。15日からのレースでは、初日にスタート時点で未修復のままだった電気系統を修復して追い上げたものの、2日目に車体セッティングミスによる冷却能力の不足からモーターが高温になるトラブルが発生。冷却性能を上げるため、急遽モーターを覆う「スパッツ」を取り外す対処をするなどしましたが全体の9位と、苦戦を強いられました。3日目には出場チーム中4位のタイムを記録したものの総合順位では7位となり、大会後には電気系統の設計力が高いチームに贈られる「エレクトリカル・デザイン賞」を贈られました。なお、PIチームは2位に入りました。

チャレンジセンター所長でチーム総監督の木村英樹教授(工学部)は、「優勝という結果を残すことができなかったのは残念ですが、今大会では熊本キャンパスを含む1年次生から3年次生までのメンバーが7名参加しており、彼らが国際大会の経験を積む貴重な機会になったと思います。チームでは今年11月にオーストラリアで開催されるワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)出場を視野にマシンの開発も進めています。今大会の経験を生かして、今後の活動に臨みたい」と語っています。

またUAE出身でチームマネジメントを担当したビン・タミム・モハメドさん(工学部3年次生)は、「大会直前にコースも変更になるなど、マネジメントの面では厳しい大会でしたが、チームをまとめていくためにはメンバー一人ひとりの個性に応じた接し方をする必要があることや時間管理の難しさなど、多くの経験を積むことができました。また大会2日目には他チームと一緒にキャンプファイヤーを囲むイベントもあり、互いの経験を共有し友人になることができるなど、有意義な機会もありました」と感想を話しています。

またPIのトーマス・J・ホッフステットラー学長からは本学に対して、「中東初の国際レースで我がチームがよい成績を収めることができ、大変うれしく思うとともに、東海大学が全面的に支援してくれたことに感謝しています。今後もより幅広い分野で連携していきたい」との言葉が送られました。

「アブダビ・ソーラー・チャレンジ」に出場しました