現代教養センターFD研究会「遠隔サポートを用いた必修科目の授業運営について」を開催しました

現代教養センターでは7月22日に、2020年度第1回現代教養センターFD研究会「遠隔サポートを用いた必修科目の授業運営について」をオンラインで開催しました。全学必修科目の「現代文明論」と「現代教養科目」の運営を担当する本センターが、遠隔授業の特徴や問題を教員間で共有し、今後の授業運営に役立てようと開いたもの。当日はグループウェア「Teams」を用いて実施し、各キャンパスの学部学科・センター所属教員約150名が参加しました。

はじめに、本センターの成川忠之所長があいさつし、「2018年度から新カリキュラムになり、必修科目の現代教養科目が開講されました。そこで、これまで本センターでは、学生に選択肢のない必修科目における授業改善に取り組んで参りましたが、遠隔授業となった本学期では、必修科目における遠隔授業のあり方についてのFD活動を展開することとしました。現代教養科目には、パブリック・アチーブメント(PA)型教育を軸とした発展教養科目と人文科学、社会科学、自然科学からなる基礎教養科目がありますが、対話を通して市民性を養うことを目指してきた発展教養科目では、遠隔の環境を逆に活用して、言葉を尽くして相手に自分の意見や主張を正確に伝えるスキルを身につけてもらう機会としました。一方、基礎教養科目では、先生方の個別の工夫により、遠隔でも満足度の高い授業とすることができました。どちらの科目も、先生方の協力もあってここまでくることができました」と感謝の言葉を語りました。

続いて本センターの村松香織講師が、学生の遠隔授業履修状況やメリット・デメリットについて教員にアンケートした結果を報告。その後、基礎教養科目の「自然科学」(日比慶久講師)、「人文科学」(黒崎岳大講師)、「社会科学」(青木孝子講師)と「現代文明論」(岡本明弘講師)の担当教員が「授業運営の実際と問題点」をテーマに説明しました。それぞれ、Teamsを使ったオンラインでの授業や、PDFなどの資料や教員が制作した動画、NHKオンデマンドを活用した授業を組み合わせ、毎授業後に学生にレポートを提出してもらうといった様子を紹介。「一人ひとりの課題にコメントをつけることで、学生は教員とつながっている感覚が増していると思いますが、1日中その作業に追われてしまうのが課題」(日比講師)、「授業終了からレポート提出まで時間がある分、推敲が十分なされたレポートが多い点はよいと感じる一方、学生がリポート疲れにならないよう注意が必要」(黒崎講師)といった意見が挙がりました。

続いて成川所長が、秋学期の遠隔授業で導入される予定の「Open LMS」の概要と使い方を紹介。最後に本センター主任の田中彰吾教授が、「予期せぬ形で遠隔授業がスタートしましたが、対面ではない分、先生方が学生との細やかなやり取りを心がけ、安心感や信頼関係を育んでいると感じました。遠隔授業の運営形態について貴重な話題提供であったとともに、改善点を考える機会になったと思います。今後も本センターの開講科目運営にご協力いただければ幸いです」とまとめました。