教育支援センターが第2回「FD・SD研修会」を開催しました

東海大学教育支援センターでは1月22日に湘南キャンパスで、2017年度第2回「FD・SD研修会」を開催しました。本センターは大学全体の教育の質をより向上させるため、教職員に対する幅広い支援活動を展開しています。本研修会はその一環として、学内外から講師を招いて毎年開いているもの。今回は、日本IBM株式会社の下野雅承取締役副会長が、「IBMのダイバーシティとイノベーション~大学と学生に望むもの~」をテーマに講演。IBMでは、ダイバーシティが競争力の源泉であり、イノベーションを生む重要な要素であると考え、女性、障がい者、外国人、LGBTなどの多様性を持った人たちが活躍できるよう、さまざまな制度の整備を進めています。今年度は女性が活躍できる職場環境整備を推進するための取り組み実績において顕著な企業を表彰する内閣府男女共同参画局「平成29年度女性が輝く先進企業表彰」に選ばれています。当日は、清水、伊勢原、熊本、札幌の各キャンパスと短期大学部、福岡短期大学をテレビ会議システムでつなぎ、教職員や学生ら194名が聴講しました。

まず山田清志学長があいさつで本研修会の目的などを話したあと、下野氏が登壇。「1937年に創立した日本IBM社は、98年当時女性社員の割合13%と低く、離職率は男性の2倍、管理職の女性比率はわずか1.8%でした」と振り返り、同年に設立された女性社員が自らの課題を分析し、解決策の提言を行う「Japan Women’s Council」の取り組みを紹介しました。女性役員と全社横断的に集められた9名の女性社員の提言をもとに、日本IBMでは、99年に在宅勤務制度を、2004年には短時間勤務制度を導入するなど積極的に女性の働きやすい職場環境づくりに取り組んできたと説明。16年には女性社員の割合が22%、管理職も14%と増加した実績について語った下野氏は、「女性のキャリアアップの阻害要因には、将来像が見えにくいこと、仕事と家事・育児のバランスが難しいこと、昔から培われてきた男性中心社会の独特な文化『オールド・ボーイズ・ネットワーク』に溶け込みづらいことなどが挙げられます。女性社員や管理職の割合を増やすためには、女性自身の自覚と覚悟はもちろん、上司の理解や周囲の男性の支援、人事施策の整備が必要」と話しました。

下野氏は、障がい者の活躍支援やLGBTの社員が自分らしく働ける環境づくりについても、「障がいのある方が自分の働く姿を想像しやすいよう、IBMでは『アクセス・ブルー』というインターンシッププログラムを導入しています。また、LGBTへの関連施策として『同性パートナー登録制度』を導入しました。これは、人事部に所定の事前登録をすれば、LGBT当事者(社員)とパートナー(社内外)に対しても、男女間のカップルと同じように、特別有給休暇、休職、慶弔見舞い、赴任旅費などが適用されるもので、人事部のダイバーシティ担当者や、社内のLGBTコミュニティなどと数年がかりで導入したものです」とさまざまな取り組みを紹介しました。

講演後は教職員からの質疑応答が行われ、最後に吉川直人副学長があいさつし、「今日の貴重なお話を参考に教職員が働きやすい環境づくりを目指すとともに、よりよい東海大学を目指していきましょう」と教職員に向けて語りかけました。

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