教育支援センターがLGBTをテーマに「FD・SD研修会」を開催しました

東海大学教育支援センターでは6月27日に湘南キャンパスで、「2017年度第1回FD・SD研修会」を開催しました。本センターは大学全体の教育の質をより向上させるため、教職員に対する幅広い支援活動を展開しています。本研修会はその一環として、学外から講師を招いて毎年開いているものです。今回は、お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系准教授の石丸径一郎氏が、「LGBTsとの共生:大学でできること」をテーマに講演。代々木、高輪、清水、伊勢原、熊本、札幌の各キャンパスと短期大学部、福岡短期大学をテレビ会議システムでつなぎ、教職員をはじめ学生、大学院生ら約250名が聴講しました。

講演に先立ち山田清志学長が登壇。「物理的なバリアフリーだけでなく、精神的なバリアフリーの大切さについて考える機会にしてください」とあいさつしました。

石丸氏は、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)のそれぞれの概念や社会生活上の課題について説明し、世界20カ国以上が同性婚を認め、日本でも渋谷区や那覇市、札幌市などの自治体が同性パートナーシップ制度を導入していることを紹介。続いて、性同一性障害やトランスジェンダー(T)の人々に対する診断や治療について触れ、学校や企業で、「トイレが使えない」「着替えができない」といった苦痛が訴えられていることを説明しました。また、東京大学のLGBTサークルの活動や国際基督教大学の取り組みを例に、大学としてどのような対応ができるかを具体的に紹介。「学生だけでなく、同僚や上司がLGBTsだという可能性もあります。また、今はそうでなくても過去にLGBTsだったかもしれませんし、将来なるかもしれません。大切なのはLGBTsの人々に対する理解や支援よりも、彼らと共生していくことです」と力説しました。終了後には会場から多くの質問が寄せられました。

最後に教育支援センターの芳川玲子センター長があいさつし、「皆で知恵を出し合って、LGBTsの方々との共生のために必要なことを考えて実践し、学生も教職員も安心して勉学や教育・研究に打ち込める環境を整えていきたい」と語りました。

参加者は、「LGBTsの人々が日常生活を送る上でのつらさがよくわかりました。告白できずにいる人のことを考え、言動に気をつけたい」「苦痛や悩みを安心して打ち明けてもらえるような環境づくりが大切だと思いました」などと感想を話していました。

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