東海大学マイクロ・ナノ啓発会【Tμne】第4回学術講演会を開催しました

社会連携イノベーションセンターと東海大学マイクロ・ナノ啓発会(Tokai University Micro/Nano Enlightenment【Tμne】)では、2月26日に湘南キャンパス6号館で第4回学術講演会を開催しました。教員による各研究室の研究内容や技術紹介をはじめ、研究者による基調講演のほか、本学の研究者や学部生、大学院生によるオーラルセッションやポスター発表を行い、学内外から100名を超える学生や研究者が参加しました。

講演に先立って、文部科学省の平成26年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択された本学の研究プロジェクト「高分子超薄膜から創成する次世代医用技術」にもとづいて1月に開設された東海大学マイクロ・ナノ研究開発センターのキックオフセミナーを行いました。はじめに吉田一也副学長が、「総合大学である本学の特色を生かして、国内をリードする複合分野の先端研究を生み出していっていただくことを期待しています。本講演会をぜひ意見交換の場として活用してください」とあいさつしました。その後、喜多理王教授(理学部物理学科)が研究プロジェクトの概要と本センターの概要を紹介し、「センターでは高分子超薄膜について、目的別に、知る、試す、作るという3領域に分かれた研究を行っています。高分子超薄膜の設計や創製、医用応用技術、分子物性解析などユニークな特性を生かし、研究のフィードバックや連携を相互に行いながら、次世代医用技術開発を目指しているのが特色です」と説明しました。続いて、プロジェクトに参加している教員ら8名が各研究室の技術や研究目標、連携、応用を説明し、参加者は熱心に聴講していました。

続いて、東海大学マイクロ・ナノ啓発会【Tμne】第4回学術講演会を開催。社会連携イノベーションセンター所長である稲津敏行教授(工学部応用化学科)が「多くの研究室が参加して、異分野が連携する研究が増えています。今後、コミュニケーションスペースがオープンしますので、意見交換の場として大いに活用してください」とあいさつしました。特別講演では、本学研究推進部部長の小島直也教授(工学部生命化学科)が登壇。「ナノ・マイクロ糖鎖粒子を基盤とした細胞性免疫誘導型ワクチンの開発研究」と題して講演し、技術開発における医農工連携の事例として、細胞性免疫誘導型ワクチンなどの研究と応用までの過程を紹介しました。さらに小島教授は、研究連携で留意すべきについて、「コア技術があり、達成する研究目標が明確であること。参加者の意識統一がなされ、それぞれの役割やミッションが区別され、個人の研究の妨げにならないことなどが重要です」と説明し、講演後は多数の質問が寄せられていました。また、各学部の研究者や学部生、大学院生によるオーラルセッションでは、8件の研究内容は成果を報告、活発な質疑応答が行われました。

さらに会場をコムスクエアに移してポスター発表も実施。学生や大学院生が106のテーマについて研究成果を披露し、活発な意見交換を行いました。学生のさらなる研究促進や進学意欲の向上を図るために前回から創設した「ポスター賞」は、全参加者の投票で選ばれた発表に賞状が授与されました。

◇東海大学マイクロ・ナノ研究開発センター研究発表

<知る>

「高分子分子物性解析、レオロジー解析」喜多理王教授、「薄膜と細胞との相互作用評価法確立と医学応用」中川草助教(医学部基礎医学系)、「細胞および薬剤スクリーニングへの応用」樺山一哉准教授(大阪大学理学部)

<創る>

「高分子超薄膜の設計と創製」岡村陽介講師(創造科学技術研究機構)、「超薄膜のバルク化技術開発と応用展開」砂見雄太助教(工学部機械工学科)

<試す>

「超薄膜を用いた生体微小センサ開発」槌谷和義教授(工学部精密工学科)、「細胞培養と細胞病理への医学応用展開」大友麻子助教(医学部基礎医学系)、「超薄膜を用いたデバイス開発による医用応用の具現化」木村啓志講師(工学部機械工学科)

※東海大学マイクロ・ナノ啓発会

本学の理工系の若手研究者が、研究室間の連携を図り、理・工・医などの各分野で展開されているマイクロ・ナノサイズ領域における研究の相互理解を深め、斬新で独創的な研究テーマを涵養することを目的として創設したもの

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