東海大学動物実験施設の構造及び利用等に関する基準

(制定 2008年10日1日)
改訂 2010年4月1日、2014年4月1日
2015年4月1日、2019年4月1日

(基本原則)

第1条

東海大学における動物実験施設(飼養保管施設及び動物実験室)は、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」(平成18年環境省告示第88号、最終改正:平成25年環境省告示第84号)に従い、管理者、実験動物管理者、動物実験実施者、飼養者は協力して、動物の生理、生態、習性に応じた適切な設備を整え、衛生管理、安全管理等に配慮した施設等を構築・運営するよう努めること。

病原体、遺伝子組換え生物、放射線や放射性同位元素、発癌物質や重金属を含む有害物質等の物理的、化学的及び生物学的に危険な物質等を含む動物実験を行う飼養保管施設及び動物実験室では、関係法規、規則等を遵守し、各々の安全規程等に定められた措置がとられること。

(定義)

第2条

この基準において、次の各号に揚げる用語の定義は、以下に定めるところによる。

(1)「飼養保管施設」とは、実験動物を恒常的に飼養もしくは保管又は動物実験等行う施設・設備をいう。

(2)「動物実験室」とは、実験動物に実験操作を行う実験室(48 時間以内において一時的に保管する場合を含む)をいう。

(3)「施設等」とは、飼養保管施設及び動物実験室をいう。

(4)「実験動物」とは、動物実験の利用に供するため、施設等で飼養又は保管している哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類に属する動物(施設に導入するために輸送中のものを含む)をいう。

(5)「管理者」とは、学長のもとに実験動物及び施設等を管理する者(学部、施設、研究所、センター等の長)をいう。

(6)「実験動物管理者」とは、管理者を補佐し、実験動物の管理を担当する者をいう。

(7)「実験動物施設管理者」とは、管理者を補佐し、所属校舎の実験動物の管理を担当する実験動物管理者をいう。

(8)「飼育室責任者」とは、飼養保管施設毎に当該施設を利用する動物実験実施者間の調整を担い、施設内の実験動物の管理を担当する実験動物管理者をいう。

(9)「動物実験実施者」とは、動物実験を実施する者をいう。

(10)「飼養者」とは、実験動物管理者または動物実験実施者の下で、実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。

(11)「管理者等」とは、管理者、実験動物管理者(実験動物施設管理者、飼育室責任者を含む)、動物実験実施者及び飼養者をいう。

(飼養保管施設の設置)

第3条

学長は、実験動物の適切な飼育管理に努めるため、飼養保管施設を設置する校舎毎に実験動物施設管理者を置き、また、飼養保管施設(飼育室)毎に飼育室責任者を置く。

飼養保管施設を設置または変更する場合、飼育室責任者は、所定の「飼養保管施設設置承認申請書」を校舎研究支援担当部署に提出する。学長は、申請された施設について実験動物施設管理者に調査させ、関係する管理者の了解及び東海大学動物実験委員会(以下、委員会という)の審査とその助言により、承認あるいは非承認を決定する。

学長は、設置された飼養保管施設について、定期的に委員会あるいは実験動物施設管理者に調査させ、必要に応じて管理者等に改善を指示する。

(飼養保管施設の要件)

第4条

飼養保管施設の床、内壁、天井及び附属設備は、清掃や消毒が容易である等、衛生状態の維持及び管理が容易な構造とすること。

実験動物が逸走しない構造及び強度を確保し、常時(出入りの時を除き)ドアで仕切られた専用の部屋であること。

外部からの野生動物の侵入を防止する構造と強度を確保し、又、衛生害虫を排除するよう努めること。

飼養される動物毎の特性により、飼育室と外部を隔てるドアには必要に応じてネズミ返し等を設置しなければならない。また、前室または扉付きの飼育装置等を使用する等により、多重の逸走防止措置をとるよう努めること。

実験動物に過度のストレスがかからないように、適切な温度、湿度、照明、換気等を保つことができる構造であり、室内作業等による騒音にも配慮すること。

(1)哺乳類、鳥類を飼育する場合には、窓を開けることなく常に換気し、最高温度28℃程度、最低温度18℃程度を限度として室温を維持すること。

(2)爬虫類・両生類他、至適温度が前項の範囲と異なる動物種を飼育する場合には、ケージ内温度もしくは水槽内の水温が、当該動物における一般的な生活温度を大きくはずれることがないこと。

清潔な環境で飼育するため、実験動物のケージや飼育器材等の洗浄・消毒などに必要な設備・備品等を備えていること。

動物種や飼養保管数に応じた広さ・設備・飼育装置等を有すること。

実験動物の飼養等に直接関係しない者の立ち入りを制限するため、施錠設備が設置されていること。

周辺環境への悪影響を防ぐ構造、設備を有し、臭気・騒音を防止する措置を執ること。

10

必要に応じて死体・汚物等を一時保管する専用の保管庫を設置し、また汚物の付着した床敷き等を適切に処分できること。

11

第1条第2項に該当する施設では、委員会が指定する標識等を適切に表示すること。

(記録の保存)

第5条

飼育室責任者は、飼養保管施設の適正な利用と動物の感染事故・逸走防止等に留意し、動物実験実施者、飼養者と協力して、飼養保管施設の利用、動物受入れ時の衛生状態、動物飼育数等の飼育管理状況を記録・保管するとともに、実験動物施設管理者あるいは委員会の求めに応じてこれを提示しなければならない。

実験動物施設管理者は、前項の飼養保管施設利用状況・動物受入状況等を確認し、毎年次、実験動物使用数等を学長に報告すること。

(動物実験室の設置)

第6条

実験動物の飼養保管施設以外で動物に対し実験操作等(一時保管は48時間以内を原則とする。)を行う実験室の設置または変更を必要とする研究者は、所定の「動物実験室設置承認申請書」を校舎研究支援担当部署に提出する。学長は、申請された施設について、実験動物施設管理者に調査させ、関係する管理者の了解及び東海大学動物実験委員会(以下、委員会という。)の審査とその助言により、承認あるいは非承認を決定する。

学長は、設置された動物実験室について、定期的に委員会あるいは実験動物施設管理者に調査させ、必要に応じて研究者に改善を指示する。

(動物実験室の要件)

第7条

動物に実験的処置を加え、もしくは生理的機能等を解析するための実験室は、ネズミ返しの設置等により動物の逸走を防止し、また、排泄物や血液等による汚染に対して清掃や消毒が容易な構造とすること。

実験室内の衛生管理及び整理整頓に心掛け、万一、実験動物が室内に逸走しても捕獲しやすいように動物実験に必要なもの以外は設置しないよう努めること。

実験処置及び一時保管中における動物の健康維持のため、適切な室温管理等に配慮すること。

実験室内で、動物実験等に直接関係しない者が、無用に実験動物に接することのないよう配慮すること。

実験室内には、必要に応じて安全キャビネット、ドラフトチャンバー等局所排気装置などの設備・備品を整備し、労働災害の防止に努めること。

必要に応じて、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への汚染等を防ぐ構造、設備を有し、常に清潔な状態を保つよう努めること。

第1条第2項に該当する施設で動物実験を行う際には、委員会が指定する標識等を適切に表示すること。

(施設等の廃止)

第8条

飼育室責任者は、飼養保管施設の廃止に当たり、実験動物が命あるものであることに鑑み、その有効利用を図るために、実験動物施設管理者と協力して飼養又は保管している実験動物を他の施設に譲り渡すよう努めること。

飼育室責任者、動物実験室を申請した者は、所定の「飼養保管施設・動物実験室廃止届」を提出して飼養保管施設あるいは動物実験室の廃止を学長に届け出ること。

(適用除外)

第9条

産業動物を実験動物として利用する場合の飼養保管施設の要件は、別に定める。

(基準の改訂)

第10条

この基準の改訂は、東海大学動物実験委員会の審議を経て、学長がこれを行う。

付則

この基準は、2008年10月1日から施行する。

付則(2015年4月1日)

この基準は、2015年4月1日から施行する。

付則(2019年4月1日)

この基準は、2019年4月1日から施行する。