「くまもと農人ゼミナール~農山漁村の支援を考える~」が開催されました

熊本キャンパスで3月4日に、くまもと農人プロジェクト主催の活動報告会「くまもと農人ゼミナール~農山漁村の支援を考える~」が開催されました。同プロジェクトは、熊本県が主体となり、援農活動や被災地支援に参加したい県民や企業・団体を募集。中山間地域の農家を手伝いながら、農業の魅力にふれてもらうものです。今年度は県内で9回活動し、チャレンジセンター・阿蘇援農コミュニティープロジェクトの学生を含む延べ135名が参加しました。

報告会当日は県内の農業関係者や地域住民らが来場。まず、農学部の松田靖准教授が、「キク科で菊池のまちおこし~ヤーコンの事例~」について講演しました。「アンデス地方が原産とされるヤーコンは、1985年に日本に導入され、90年代後半には抗酸化性成分であるポリフェノール類を豊富に含むことが報告されました。2000年から本学部でも試験的に栽培をはじめ、翌年には本学のモニター農家制度を生かして、菊地市でも栽培を始めました。2003年からは生産農家数も増加し、収穫量は100tに。その後も収穫イベントなどのヤーコン普及活動の他、品種育成,成分分析等を展開しています」とこれまでの研究活動を紹介。また、オリジナル品種のブランド化による町おこしにも触れ、「イチゴでいえば、福岡県の『あまおう』や栃木県の『とちおとめ』など多くのブランド品種があります。果実の販売だけでなく、ブランド品種を使ったご当地限定のお菓子や飲料水なども人気で観光客の増加につながっています」と説明しました。

休憩を挟み、パネルディスカッション形式でくまもと農人プロジェクトの活動報告が行われ、荒木朋洋農学部長や阿蘇援農コミュニティープロジェクトのリーダーを務める藤川志津香さん(農学部2年次生)ら5名が登壇。藤川さんは2月19日に高森町でメンバー12名が、6名の市民とともに、3ケ所の農家でビニールハウスの移設やスナップエンドウの種まきなどに取り組んだ様子を振り返り、「市民の方々とともに農家を訪問するのは初めてでした。お互いにアドバイスを送り、交流を深めながら、実りある時間を過ごせました。熊本地震の被害だけでなく、少子高齢化や後継者問題など、たくさんの課題を抱える農家の方もいます。これからもより多くの活動をしながら、力になっていきたい」と話しました。荒木農学部長は「‬本学部の学生の多くが、“熊本県の力になりたい”とさまざまな活動をしています。援農活動は彼らの思いがつまった象徴的なものだと思いますし、来年度以降もぜひ地域の方々と熊本県の農業を盛り上げてほしい」と話していました。閉会後も、多くの参加者が荒木学部長や藤川さんのもとを訪れ、農業の活性化に向けた熱い議論が展開されていました。

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