大学院生が「International Brazing and Soldering Conference 2018」で研究成果を発表しました

大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の岩田昌也さんと1年次生の佐々木達也さん(指導教員=ともに工学部材料科学科・宮沢靖幸教授)が、アメリカ・ニューオリンズで開かれた「International Brazing and Soldering Conference 2018(国際ろう付はんだ付会議)」で研究成果を口頭発表しました。同会議では、宮沢教授も「Brazing of Stainless Steel and Analysis of Brazing Joints」のテーマで招待基調講演を行いました。

岩田さんは、ろう付したステンレス鋼の耐食性を評価する新手法に関する研究の成果を発表。これまで定量的な評価方法がなかったこの分野で、電気化学的な手法を用いて評価する手法を提案しました。また佐々木さんは、WC-Coという超硬合金と一般的な鉄鋼材料を接合した際に必然的に生じる亀裂を抑制する新技術を提案。接合部の中央に未接合部をつくることで、クラックを抑制できることを発表しました。

岩田さんは、「企業の技術者や研究者も多く参加しており、私の研究について企業の目線から課題や助言をもらえたことが大きな収穫でした。国際会議への参加は今回で3回目ですが、こうした機会があると高いモチベーションを持って研究に取り組めますし、毎回よい刺激を得ることができます。研究の面白さは、学会での発表などを通したアウトプットにあると思いますし、こうした経験は必ず社会に出てからも役に立つと考えています」とコメント。佐々木さんは、「国際会議への参加は今回が初めてでしたが、研究室の先輩や先生の助言のおかげで無事発表を終えられました。今回の学会は、ろう付とはんだ付に特化して世界中から研究者が集まる機会だったので、集中的に多くの知識を習得できたのはもちろん、質疑応答などを通して今後の研究に生かせるコメントを得られたことも収穫でした」と話しています。

なお宮沢教授は、近年自動車のエンジン部の低コスト化を目的としてステンレス鋼へのニーズが急激に高まり、ろう付技術の研究が世界的にも活発になっている現状を紹介しました。中でも日本は分析技術で高いレベルにあるとしたうえで、「これまではろう材をいかに加熱するかというポイントにフォーカスを当てた研究が盛んに行われてきたが、加熱前後の状態にも目を向ける必要がある」と指摘しました。

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